東京都を中心に一都三県で調剤薬局22店舗を展開するフォーラル(2015年12月現在)。その薬局経営への取り組み姿勢や人材育成システムの充実ぶりは大手に引けを取りません。例えば管理栄養士・栄養士の在籍数は業界トップクラス。これは薬剤師はもとより全ての社員が医療系・介護系の有資格者といった“専門家集団”になり、それぞれが主役として活躍する薬局モデルを目指すという、同社の姿勢を裏付けています。薬剤師としても在宅医療やアロマなど興味ある分野で専門性を追求できるほか、薬局長、ブロック長、エグゼクティブマネジャーとキャリアアップの道筋も明確。各店舗で主催する地域向けセミナーは病気の知識からアロマ講座までと幅広く、薬剤師体験など地域の学校にも出前授業するなど、真の「地域薬局のあり方」を貫く会社です。個性的な店づくりが特色ですが、共通するのは親しみやすく明るい雰囲気。職場の人間関係も自慢です。

地域の人が応援したくなる薬局を目指して
良い取り組みを全店に広めたい

管理栄養士も活躍する、地域に開かれた薬局です
入社の理由とこれまでのキャリアを教えてください。

もともと患者さんと距離の近い調剤薬局の就職を考えていて、フォーラルは1社目に受けた会社。店舗見学に行ったときに、スタッフが皆さんにこやかに挨拶してくれて、雰囲気の良さを感じたのが決め手です。入社から14年目ですが、途中で1年間すずかぜ薬局を経験した他は、ずっととまと薬局。2009年に薬局長(管理薬剤師)、2015年4月にブロック長になり、今は両方を兼務しています。

とまと薬局はどんな店舗ですか。

周辺にクリニックや総合病院があり、また面薬局として大学病院などの処方箋も応需するので、内科、小児科、眼科をはじめ抗がん剤など幅広い調剤を受け付けています。在宅も行っていて、今は1人暮らしを含め個人宅の患者さん10名ほどを、薬剤師全員で分担して見ています。特色としてはスタッフに管理栄養士がいて、食事指導や健康相談など「食」の面から患者さんをサポートしているところ。これはとまと薬局に限らず全店の方針で、当社にはいま約60名の管理栄養士や栄養士が活躍しています。恐らく調剤薬局の在籍数では日本一ではないでしょうか。他にも、患者さんや地域の方々を対象に様々なセミナーを開催している点も特色です。店内で糖尿病や便秘に関するセミナーを開く時は、栄養士さんと連携して病態と食事の両面からアプローチ。店舗から出て地域の集会所などに行くこともあり、この前は小学校で児童にアロマづくりを体験してもらいました。以前は町内会の集まりにも参加していたようです。

フォーラルには約60名の管理栄養士・栄養士が在籍。店舗での栄養相談はもとより、医療機関に出向いて患者に接したり、在宅訪問したりと様々に活躍している。東京都葛飾区が行う介護予防事業では栄養改善講座を担当している。
患者さんを心から大切に思える人と働きたい
特色の多い薬局ですね。

そう思います。「地域の人々が応援したくなる人と薬局」が、私たちの目指すところですから、地域に開放的な取り組みに積極的です。当社の他の店でも沢山ユニークな試みをしていますね。ブロック長としては、とまと薬局を含めて4店舗を担当し、定期的に訪問するほか何かあればすぐに駆け付けています。他のブロック長4名はこの制度がスタートした時からの担当で、私は直近の就任なので、いまは教えを受けている最中。店舗にいる時よりも視野が広がり、より深く会社のことを理解できるようになりました。

これからの目標と求める人材は。

地域に密着した店づくりやセミナーの開催などが当社の魅力だと思うので、管理薬剤師としては、とまと薬局でのそうした活動をしっかり継続していくことです。そしてブロック長としては、各店舗で実施している良い取り組みを他の店舗に反映し、全社的に広げていきたいと考えています。私自身はブロック長としてのレベルアップが目標です。

求める人材は、患者さんのことを心から大切に思える人。その原点があればどんな人でも大丈夫です。病院薬剤師も調剤薬局の出身も、もちろんOTCからの転身も大歓迎。教育システムがしっかりしているので、調剤未経験の方や、ブランクのある方でも安心ですよ。

薬局長として長年スタッフの相談に乗り、全員で協力する姿勢を心がけながら、より良い店舗づくりに努めてきた。豊富な部下のマネジマント経験はブロック長としても他店の課題改善に生かされている。

患者さんとの距離の近さはもちろん
興味ある事や資格を生かせる環境です

中途採用でもしっかりした研修を受けられました
病院薬剤師から転職された理由を教えて下さい。

もともと薬局薬剤師になりたくて、まず病院に入り、薬について幅広く勉強した上で薬局に転職しようと考えていました。新卒で就職したのは大きな総合病院で、それなりにやりがいもありましたが、やはり病院の中で完結するのが物足りませんでした。継続して退院後の患者さんを見ていきたい、患者さんともっと近いところで関わりたいという想いが高じて、4年ほど勤めたところで転職しました。

フォーラルを選ばれたのは。

実は以前からアロマに興味があり、入社前にはアロマテラピーアドバイザーの資格も取得していました。アロマを扱っている薬局を中心に探し、フォーラルに巡り合いました。特に最初に配属されたとまと薬局は、患者さんや地域の方々に向けてよくアロマセミナーを開いていたのも魅力でした。また当社は研修がしっかりしていて、私も入社後1週間の研修で、あらためて調剤のやり方を丁寧に学びました。現場でもトレーナーがつき、しっかり指導してくれたのでとても安心しました。前職の病院はOJTばかりで理論や知識を吸収する機会がほとんどなかったので、すごく新鮮でしたね。

薬剤師、栄養士、マネージャー向けなどそれぞれの専門性を高める教育システムが整備されている一方、全社員共通の教育プログラムも充実。年1回のフォーラルフォーラムは医療に関わる幅広いテーマで開催。
アロマテラピーの知識がさまざまに生かせます
めぐみ薬局はどんな店舗ですか。

整形外科の患者さんが中心で、高齢者の方が多いのですが、部活で怪我をしたり腰を痛めたりした学生さんも沢山来ます。忙しいとまと薬局と比べるとゆったりした雰囲気です。異動が最近のことで、またその2週間後に管理薬剤師になったばかりなので、今は患者さんの様子やスタッフの働き方を把握したりと、一日も早く慣れるよう努めています。

病院と比べて違いを感じる点は何ですか。

やはり患者さん一人ひとりと丁寧に関われることです。病院は短期の入院患者さんが多いので顔と名前を覚える前に退院されてしまいますが、ここでは長いお付き合いの方が中心。来店歴を見て「そんなに前から通っておられるんだ」と驚くこともしばしばです。

フォーラルの研修で薬や疾患の知識もすいぶん身についた。地域セミナーで高血圧や高脂血症について説明することで、一般の人にもわかりやすい言葉を用いて服薬指導ができるようになったという。
やりがいを感じるのは。

患者さんに対し「ここを改善すれば良くなる」と勧めたことを、患者さんが納得されて実行し、体調が良くなった時が1つ。改善点とは食事や沢山散歩をするなど生活習慣に関わることが多いので、栄養士のアドバイスが受けられるのも恵まれています。2つめはアロマを広める活動ができること。セミナーはもちろん、「アロマを使ったルームスプレーの使い方」など様々な掲示物を通して情報提供する作業も楽しいです。資格を取るための勉強会もあるし、費用も支援してくれるから、アロマに興味のある人はぜひ!と言いたいです(笑)。

さまざまな領域で患者さんのお役に立てる。
そんな薬局に巡り合いました。

セミナーでは栄養士チームに参加。視野も知識も広がりました
転職の理由を教えて下さい。

前職の調剤薬局では糖尿病の患者さんと接する機会が多く、次第に、薬に頼りっ切りになる前に、栄養や運動など予防の観点でも何か役に立ちたいと思うようになりました。そこで大学時代の恩師に相談したところ、生活習慣病の予防に欠かせない栄養指導に力を入れている薬局として、真っ先に当社の名が挙がりました。「あれだけ栄養士を配置している会社はかなり珍しい」という先生の言葉が印象的でした。

期待した通りの接し方が患者さんにできましたか。 

はい。配属先のとまと薬局では数々のセミナーを開いていて、私もこの間、便秘セミナーに参加しました。通常は薬剤師と栄養士のチームに分かれて説明を行いますが、私は食事指導メインの栄養士さんチームに入れてもらって、水分摂取の大切さについて話しました。準備のための下調べや打ち合わせを通して、栄養に関する知識も少しずつ身に付いています。また、準備も計画的に行うため、業務負荷にはなりません。

とまと薬局で初めて在宅医療も経験しました。これまで個人宅を何度か訪問しましたが、その方の生活習慣に基づく薬の飲み方や、その改善点など、ご自宅に伺うからこそわかることが沢山あると勉強になりました。入社して9カ月ですが、実に幅広く色々と学べています。

 

「とまと薬局の良さはやはり人間関係。患者さんと話をする時も内容に応じて管理栄養士さんを呼ぶことが多いから、自然とチームワークも生まれます。何でも話せる職場です」と亀田さん。
やってみたいことが実現できる風土があります
亀田さんはスポーツファーマシストの資格をお持ちだそうですね。

もともとスポーツ観戦が好きで、薬剤師になってドーピングに興味を持ったことから取得しました。今のところは「ドーピングって何?」などのタイトルで読み物を書いて掲示板に貼る程度ですが、できればもっと広めていきたいですね。そういえばこの前、スポーツ大会の出場を控えた学生さんが、「今飲んでいるこの薬は、ドーピングに引っ掛かりませんか?」と訪ねて来られました。応対したスタッフがすぐに私を呼び、説明して差し上げたのですが、有資格者ということもありとても納得されていました。この出来事は偶然ですが、いずれは「スポーツファーマシストのいる店」として地域に認知されたいと思います。

やりがいは何でしょう。

薬剤師になったのは人の役に立ちたかったからですが、経験を重ねるにつれて服薬指導に留まらず、予防の面、栄養の面と、より幅広い領域で「役立ちたい!」という想いが膨らんできました。そういう点でも当社はまさに理想的、だからやりがいばかりです(笑)。地域に開かれたセミナーやアロマなどの取り組みもそうですが、「やってみたい」と思ったことは何でも話せて、良いものは皆で実現しようとする風土が根付いています。患者さんのためにできることは何でもやりたい。そんな人に最高です!

とまと、めぐみ、のぞみ薬局と覚えやすい平仮名の屋号も特色。東京都江東区にあるとまと薬局の店内は、「アロマテラピーの勧め」から「季節のカゼ対策」まで、手づくりの沢山の掲示物が目を引く。地域の健康情報発信の拠点になっている。

株式会社フォーラル

設立 1951年1月1日
所在地 〒136-0072 東京都江東区大島1-9-8 大島プレールビル4F
店舗展開 ■店舗数:21店舗
■店舗:東京都17店舗、神奈川県1店舗、埼玉県2店舗、千葉県1店舗
企業の特色 社会変化に対する柔軟な適応力と将来を見極める先見力を持ち、企業は公器であることを認識し、堅実な経営を心掛け、お客様の満足・社員の幸福・経営の成果に最善を尽くし、情熱に満ち自由闊達で創造的な風土のなかで、 個人の夢と会社の夢がつながりを持ちながら、相互の夢の実現のため全員の力を結集して成長発展する 企業を目指しています。