地域支援体制加算の算定対象の拡大とリフィル処方箋導入で求められる薬局の役割 | 薬剤師の転職・求人・募集なら【マイナビ薬剤師】

第3回 地域支援体制加算の算定対象の拡大とリフィル処方箋導入で求められる薬局の役割

第3回 地域支援体制加算の算定対象の拡大とリフィル処方箋導入で求められる薬局の役割 第3回 地域支援体制加算の算定対象の拡大とリフィル処方箋導入で求められる薬局の役割

2014年度以降、2025年問題を念頭に地域包括ケアシステムの構築が進められてきましたが、保険薬局に対しても地域支援体制加算などで「地域医療への貢献」がより鮮明に求められるようになってきました。

保険薬局における地域医療貢献は、調剤基本料の地域支援体制加算で主に評価されていますが、今回の改定では加算を類型化し、算定できる薬局を一気に広げたことが目を引きます。

第3回目となる本稿では、調剤基本料や地域支援体制加算など薬局の体制に関わる評価や、初めて導入されたリフィル処方箋の考え方などを中心に解説します。

300店舗以上のグループ薬局も
調剤基本料1の対象外に

調剤基本料は、医薬品備蓄をはじめとする保険薬局の体制整備に関する経費を評価する点数で、経営効率性を踏まえて設定されます。2021年に行われた医療経済実態調査では、300店舗以上の薬局を持つグループの利益率が特に高いことが示されました。

これに基づき、2022年度診療報酬改定では「同一グループの保険薬局の数が300以上」の薬局も、点数の低い調剤基本料3に組み込まれることになりました(表1、図1)。

表1 調剤基本料の見直し

要件 点数
処方箋受付回数等 処方箋集中率
調剤基本料1 調剤基本料2・3、特別調剤基本料以外 42点
調剤基本料2
  1. ①処方箋受付回数が月2000回超~4000回
  2. ②処方箋受付回数が月4000回超
  3. ③処方箋受付回数が月1800回超~2000回
  4. ④特定の医療機関からの処方箋受付枚数が4000回超
  1. ①85%超
  2. ②70%超
  3. ③95%超
  4. -
26点
調剤基本料3 同一グループで処方箋受付回数が月3万5千回超~4万回 95%超 21点
同一グループで処方箋受付回数が月4万回超~40万回 85%超
同一グループで処方箋受付回数が月40万回超又は同一グループの保険薬局の数が300以上 16点
(新)ハ 同一グループで処方箋受付回数が月40万回超又は同一グループの保険薬局の数が300以上 85%以下 32点

図1 調剤基本料の体系

処方箋集中率が85%以下の薬局も例外ではなく、新設された「調剤基本料3のハ」に区分されます(経過措置あり)。

それ以上に厳しい評価となったのは、敷地内薬局に適用される「特別調剤基本料」です。点数を引き下げるとともに、調剤基本料の加算である「地域支援体制加算」や「後発医薬品調剤体制加算」は所定点数の8割のみの算定に、服薬情報等提供料については算定不可とされました。

特別調剤基本料の算定対象になる敷地内薬局とは、「医療機関と不動産取引等その他特別な関係」にあることなどと定義されています。中央社会保険医療協議会(中医協)では、立地的には敷地内薬局と考えられるものの、その対象になるか判断の難しいケースがある点について議論されたほか、薬局の独立性や機能などの面でも疑問が呈されました。

現在、大規模病院を中心に敷地内薬局をつくる動きが活発化していますが、今後、敷地内薬局の定義やあり方について、さらに踏み込んだ議論が行われると予想されます。

地域支援体制加算の対象拡大で
期待される在宅薬剤管理への取り組み

今改定では、地域支援体制加算の体系も見直されました。従来、調剤基本料1を算定できない場合には、9つの地域医療貢献の実績要件のうち8つ以上を満たすことが要求され、高いハードルとなっていました。今改定ではそうした枠組みを残しつつ、地域支援体制加算を4つに類型化。調剤基本料1以外を算定する薬局にも、地域支援体制加算算定のチャンスを広げました。

調剤基本料1を算定する薬局は、地域支援体制加算1または2、調剤基本料1以外を算定する薬局では同加算3または4の対象になります(図2)。

図2 地域支援体制加算の新たな区分

調剤基本料1

地域支援体制加算1 38点→39点

  • ❶~❸を満たしたうえで❹又は❺を満たすこと。

(新)地域支援体制加算2 47点

  • 地域支援体制加算1の要件を満たしたうえで、①~⑨のうち3つ以上を満たすこと。

調剤基本料1以外

(新)地域支援体制加算3 17点

  • 麻薬小売業者の免許を受けている上で、①~⑨のうち④及び⑦を含む3つ以上を満たすこと。

地域支援体制加算4 38点→39点

  • ①~⑨のうち、8つ以上を満たすこと。

【経過措置】

  • 令和4年3月31日時点で地域支援体制加算を算定している保険薬局で、在宅薬剤管理の実績を満たしていると届け出を行っている場合は令和5年3月31日まで当該実績を満たしているものとする。
  • 令和4年3月31日時点で調剤基本料1を算定している保険薬局であって同日後に調剤基本料3のハを算定することになった薬局については令和5年3月31日まで調剤基本料1を算定しているものとみなす。

このうち地域支援体制加算2は、同加算1の上位の区分として設けられました。算定には、地域支援体制加算1の要件に加えて9つの実績要件(表2)のうち「3つ以上」のクリアが求められています。

表2 地域支援体制加算の施設基準と地域医療貢献の実績要件

【地域支援体制加算の施設基準】

(1)地域医療に貢献する体制を有することを示す実績
(2)患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っている
(3)患者の求めに応じて、投薬に係る薬剤に関する情報を提供している
(4)一定時間以上の開局
(5)十分な数の医療品の備蓄、周知
(6)薬学的管理・指導の体制整備、在宅に係る体制の情報提供
(7)24時間調剤、在宅対応体制の整備
(8)在宅療養を担う医療機関、訪問看護ステーションとの連携体制
(9)保健医療・福祉サービス担当者との連携体制
(10)医療安全に資する取組実績の報告
(11)集中率85%超の薬局は、後発品の調剤割合50%以上

 青字は変更部分

「(1)地域医療に貢献する体制を有することを示す実績」の詳細
(1薬局あたりの年間の回数)
  • ❶  麻薬小売業者の免許を受けていること。

  • ❷ 在宅薬剤管理の実績24回以上

  • ❸ かかりつけ薬剤師指導料等に係る届出を行っていること。

  • ❹ 服薬情報等提供料の実績12回以上

  • ❺ 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に1回以上出席

(①~⑧は処方箋1万枚当たりの年間の回数、⑨は薬局当たりの年間の回数)
  • ① 夜間・休日等の対応実績400回以上

  • ② 麻薬の調剤実績10回以上

  • ③ 重複投薬・相互作用防止加算等の実績40回以上

  • ④ かかりつけ薬剤師指導料等の実績40回以上

  • ⑤ 外来服薬支援料の実績12回以上

  • ⑥ 服用薬剤調整支援料の実績1回以上

  • ⑦ 単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績24回以上

  • ⑧ 服薬情報等提供料の実績60回以上

  • ⑨ 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に5回以上出席

一方、調剤基本料1以外の薬局が新たに算定できることになった「地域支援体制加算3」では、麻薬小売業者の免許取得とともに、9つの実績要件のうち「かかりつけ薬剤師指導料等」「単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理」を含めた、3つ以上を満たす必要があります。

9つの実績要件に関しては、今改定で「常勤薬剤師1人当たり」が「処方箋1万枚当たり」の年間回数に修正されものの、求められている実績は以前と同水準。同加算4に比べるとハードルはだいぶ下げられたため、薬局の地域医療貢献への推進力になりそうです。

なかでも「在宅薬剤管理の実績」は、今改定で1薬局当たり「年12回」から「年24回」に基準が引き上げられました(※地域支援体制加算3、4については「単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理」は処方箋1万枚当たり年24回以上)。地域医療体制支援加算を算定する全ての薬局で、在宅薬剤管理か、個人在宅での薬剤管理の実績を上げることが絶対条件とされたわけです。

なお、オンラインでの在宅薬剤管理指導は、引き続き、実績回数としてカウントできないので注意が必要です。間口を広げ、在宅を必須とするーー。この見直しにより、在宅薬剤管理がどこまで広がるのかが注目されます。また、地域連携薬局の認定要件とも一部重なるため、調剤報酬が認定を後押しする形になりそうです。

なお地域支援体制加算は、連携強化加算や、調剤後薬剤管理指導加算の算定要件にも位置づけられています。新たに地域支援体制加算を算定する際は、これらについても算定要件を満たしているかチェックしてみましょう。

新設の連携強化加算は
PCR検査の実施が要件に

連携強化加算は、調剤基本料の加算として今改定で新設されました。地域支援体制加算を届け出た薬局が、災害や新興感染症の発生時に医薬品供給や衛生管理などに対応できる体制を確保した場合に算定できます。

ただ、3月末に厚労省が提示した事務連絡によると、要件には「PCR等検査無料化事業に係る検査実施事業者としての登録・事業の実施」が盛り込まれています(表3)。

表3 連携強化加算の具体的な施設基準

  • (1) 医薬品供給、地域の衛生管理に係る対応等のための体制確保
      1. ①災害や新興感染症の発生時等に、医薬品の提供施設として薬局機能を維持し、避難所・救護所等における医薬品の供給又は調剤所の設置に係る人員派遣等の協力等を行うこと。また、災害の発生時における薬局の体制や対応について手順書等を作成し、薬局内の職員に対して共有していること。
      2. ② 災害や新興感染症の発生時等において、医薬品の供給や地域の衛生管理に係る対応等を行うことについて、薬局内で研修を実施する等、必要な体制の整備が行われていること。

  • (2) 地域の協議会・研修等への積極的な参加
    • 災害や新興感染症の発生時等における対応に係る地域の協議会、研修又は訓練等に参加するよう計画を作成すること。また、協議会、研修又は訓練等には、年1回程度参加することが望ましい。なお、参加した場合には、必要に応じて地域の他の保険 薬局等にその結果等を共有すること。

  • (3) ホームページ等での周知
    • 災害や新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保していることについて、薬局内での掲示又は当該薬局のホームページ等において公表していること。また、自治体や関係団体等(都道府県薬剤師会又は地区薬剤師会等)のホームページ等においても、災害や新興感染症の発生時等に係る対応等が可能である旨、広く周知されていることが望ましい。

  • (4) 都道府県等からの医薬品供給等の協力要請時に、地域の関係機関と連携し必要な対応を行うこと
    • PCR等検査無料化事業に係る検査実施事業者として登録され、当該事業を実施していること。また、当該検査実施事業者として登録されていることについて、自治体等のホームページ等において広く周知されていること。
      →※当該検査実施事業者として登録されていることについて、自治体等のホームページ等で公表されていることが確認できるウェブページのコピー等を添付すること。

現状では、公的なPCR検査に対応する薬局へのフィーという意味合いが大きそうです。後発医薬品調剤体制加算は、加算対象となる後発医薬品の調剤数量割合の最低基準が75%以上から80%以上へと引き上げられるとともに、一部で加点されました。

ただし、出荷調整などが続いている後発医薬品も未だにあるため、今年4月診療分以降の加算で数量割合の計算対象から外してもよい医薬品リストを、厚労省はホームページで公表しています。

リフィル処方箋で求められる
より丁寧な聞き取りと説明

次の改定に向けて注目されるのがリフィル処方です。症状が安定した患者に対し、医師の判断で処方箋を上限3回まで反復利用する仕組みで、1回当たりの投薬期間と総投薬期間は医師が設定します。
リフィル処方箋では、患者の服薬状況や状態などによっては調剤せずに受診勧奨を行います(表4)。

表4 リフィル処方箋の仕組み

▼症状が安定している患者について、医師の処方により医師及び薬剤師の適切な連携のもと、一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みを設ける。

赤字が保険薬局での対応の留意点
【留意事項】
  • (1) 保険医療機関の保険医がリフィルによる処方が可能と判断した場合には、処方箋の「リフィル可」欄にレ点を記入する。

  • (2) リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回までとする。また、1回当たり投薬期間及び総投薬期間については、医師が患者の症状等を踏まえ、個別に医学的に適切と判断した期間とする。

  • (3) 保険医療機関及び保険医療養担当規則において、投薬量に限度が定められている医療品および湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行うことはできない。

  • (4) リフィル処方箋による1回目の調剤を行うことが可能な期間については、通常の処方箋の場合と同様とする。2回目以降の調剤については、原則として、前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内とする。

  • (5) 保険薬局は、1回目又は2回目(3回可の場合)に調剤を行った場合、リフィル処方箋に調剤日及び次回調剤予定日を記載するとともに、調剤を実施した保険薬局の名称及び保険薬剤師の氏名を余白又は裏面に記載の上、当該リフィル処方箋の写しを保管すること。また、当該リフィル処方箋の総使用回数の調剤が終わった場合、調剤済み処方箋として保管すること。

  • (6) 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋により調剤するにあたって、患者の服薬状況等の確認を行い、リフィル処方箋により調剤することが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診勧奨を行うとともに、処方医に速やかに情報提供を行うこと。また、リフィル処方箋により調剤した場合は、調剤した内容、患者の服薬状況等について必要に応じ処方医へ情報提供を行うこと。

  • (7) 保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋の交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。

  • (8) 保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により調剤の状況を確認すること。患者がほかの保険薬局において調剤を受けることを申し出ている場合は、当該他の保険薬局に調剤の状況とともに必要な情報をあらかじめ提供すること。

副作用だけでなく原疾患の悪化など、医師の診療や処方変更が必要な状態かどうかを薬剤師が判断することになるため、分割調剤よりも責任が大きく、情報の聞き取りをより丁寧に行う必要があるでしょう。

また、一番注意が必要なのは投薬期間が決まっていることです。1回目の期限は、通常の処方箋と同じく処方日を含めて4日ですが、2、3回目については次回調剤予定日の前後7日以内です。次回調剤予定日が6月13日だとすると、6月6日から6月20日までの間だけ調剤ができるのです。患者にも、こうしたルールを丁寧に説明して理解を得ることや、調剤予定日前後に電話を入れるなどの対策が重要になりそうです。

なお、リフィル処方箋では、今改定で1処方につき63枚までと上限枚数が引き下げられた湿布薬や、投薬期間に上限が設けられている麻薬や向精神薬などは処方できません。普通の処方箋とは違った、確認ポイントもあるため注意しましょう(表5)。

表5 リフィル処方箋で確認したいこと

  • リフィル可にチェックが入っている
  • 処方箋の反復使用回数の記載があるか、回数は3回以下か
  • 1回の投薬期間(処方日数)の記載があるか
  • リフィル処方箋が使用できない薬ではないか
    ※リフィル処方箋が使用できない薬
    1. ①投薬期間に上限が設けられている薬
      • ・14 日分を限度とされる内服薬、外用薬、注射薬…麻薬等
      • ・30 日分を限度とされる内服薬、外用薬、注射薬…アルプラゾラム等
      • ・90 日分を限度とされる内服薬…ジアゼパム等
    2. ②湿布薬…貼付剤のうち、薬効分類上の鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤(専ら皮膚疾患に用いるものを除く)
  • リフィル処方を行う薬とそうでない薬が同じ処方箋に記載されていないか(※処方箋を分ける必要あり)
  • リフィル処方を行う薬が複数記載されている場合、1回当たりの使用期間(処方日数)や処方箋の使用回数上限が異なっていないか(※処方箋を分ける必要あり)
  • 処方箋受付日が調剤予定日の前後7日間内か
©K.Tonegawa 無断引用転載禁止

受付1回ごとに調剤は完結し、所定の要件を満たせば調剤技術料と薬学管理料を算定できる点も分割調剤とは異なります。また、処方医に必要な情報を文書で提供する場合には、服薬情報等提供料1または2を算定できます。なお、リフィル処方箋の写しは処方箋と同様、調剤の終了日から3年間保管する必要があります。

ポリファーマシー対策も実績評価へ
「調剤管理加算」で薬学的分析も評価

今回の改定でもポリファーマシー対策に関しては重点が置かれており、ここでも実績評価の視点が取り入れられました。6種類以上の内服薬について減薬の介入を評価した「服用薬剤調整支援料」は、前改定で2区分に分けられました。薬剤師の提案により2種類以上内服薬が減少した場合に算定できる同支援料1と、重複投薬等解消のための提案を評価した同支援料2です。今改定では、「服用薬剤調整支援料2」がさらに2つに分けられ、重複投薬等の解消の実績がある場合に手厚く配点されました。

同支援料2で言う「重複投薬等の解消の実績」とは、表6の通り、内服薬6種類以上の患者で薬剤師の提案により2種類以上の減薬がなされたことを意味します。

表6 服用薬剤調整支援料2のイ(施設基準)

  • (1)  重複投薬等の解消に係る実績として、内服を開始して4週間以上経過した内服薬6種類以上を保険薬局で調剤している患者に対して、当該保険薬局の保険薬剤師が処方医に減薬の提案を行った結果、当該保険薬局で調剤している当該内服薬の種類数が2種類以上(うち少なくとも1種類は当該保険薬局の保険薬剤師が提案したものとする。)減少し、その状態が4週間以上継続したことが過去一年間に1回以上あること。

  • (2) 前年3月1日から当2月末日までの重複投薬等の解消に係る実績をもって該当性を判断し、当年4月1日から翌年3月31 日まで適用する。ただし、前年3月1日から当年1月末日までに新規指定された保険薬局の場場合場合は、指定された日に属する月の翌月から、当年2月末までの実績をもって該当性を判断する。

  • (3) (1)について、服用薬剤調整支援料1を算定していない場合においても、重複投薬等の解消に係る提案及び実績について、薬剤服用歴の記録に記載すること。なお、提案の記録については、提案に係る文書の写しを薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により保存することで差し支えない。

これは「服用薬剤調整支援料1」の算定要件ですが、同支援料1の算定実績までは求められていない点がポイントです。「重複投薬等の解消に係る提案及び実績について、薬剤服用歴の記録に記載」しておけば、実績としてカウントできるのです。
一方、複数の医療機関から6種類以上の内服薬が処方されている場合に、必要な薬学的分析を行うことを新たに評価したのが、「調剤管理料 調剤管理加算」です(図3)。

図3 調剤管理料 調剤管理加算

(新)調剤管理料 調剤管理加算

  • イ 初めて処方箋を持参した場合 3点
  • ロ 2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合 3点
【算定要件】
別に厚生労働大臣が定める保険薬局において、複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的管理を行った場合は、調剤管理加算として、上記の点数をそれぞれ調剤管理料の所定点数に加算する。

【施設基準】
重複投薬等の解消に係る取組の実績(過去一年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績)を有している保険薬局であること。

ただし、同一医療機関の複数診療科からの処方は対象にはなりません。この調剤管理加算にも実績評価の視点が盛り込まれています。「過去1年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績」のある薬局が対象で、同支援料を1回算定すると、「その翌日から翌年の同月末日まで」の間は算定実績があるものと見なされます。

例えば、2022年4月1日に同支援料を算定すると、23年4月30日までは調剤管理加算の算定基準を満たしていることになります。服用薬剤調整支援料2とは、実績の定義と期間の計算方法が異なるので注意が必要です。

麻薬持続注射療法と中心静脈栄養法の
薬学的管理・指導を評価

最後に在宅薬学管理を取り上げます。注入ポンプによる麻薬持続注射療法と、中心静脈栄養法について薬学的管理・指導を行った場合の加算が新設されたことが、今改定での最大のポイントです。また、これまで在宅主治医からの依頼についてのみ算定可能だった在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料では、連携する他の医療機関の医師も対象に追加されました。

そのほか、退院時カンファレンス(退院時共同指導)では、参加人数にかかわらず、スマートフォンなどビデオ通話での参加が可能になりました。在宅患者訪問薬剤管理指導料などでもオンライン薬剤管理指導の要件が緩和されましたが(2回目参照)、これにより在宅への参入障壁が下がることが期待されます。

また、在宅業務に関しては、地域支援体制加算など薬局の機能を評価する点数でも要件に盛り込まれています。2025年に向けて薬局での在宅業務がどこまで広がるのか、この2年間の動きが注目されます。

(参考資料)
◎厚生労働省保険局医療課「令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤) 令和4年3月4日版」
◎厚生労働省通知「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」
◎厚生労働省事務連絡「調剤報酬点数表における「連携強化加算」の施設基準等の取扱いについて」
◎厚生労働省通知「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について」
◎「疑義解釈資料の送付について(その1)」 ※本記事は2022年4月7日までの疑義解釈を参考に執筆しています。

PROFILE
利根川 恵子
医療ジャーナリスト。薬剤師。東京医科歯科大学医療政策学修士。
医療系出版社勤務後、2000年に独立。薬剤師としての知識を活かしつつ、医療分野・介護分野を中心に取材を行う。

著書『福祉・介護職のための病院・医療の仕組みまるわかりブック』
『イラストで理解するケアマネのための薬図鑑』(共著)など。

アイコン 簡単1分 無料転職サポート申し込み

簡単1分 無料転職サポート申し込み

STEP
1
2
3
4
5
必須取得資格
  • 必須取得予定年
    年 3月
  • 任意希望の就業時期
必須希望の働き方
必須お名前(全角)
必須フリガナ(全角)
必須生まれた年
必須ご住所
必須ご連絡先(半角)

連絡可能な番号を入力してください

必須メールアドレス(半角)
任意その他ご希望条件など

マイナビ薬剤師転職サポートの流れ

  • STEP1
    ご登録</

    ご登録

    ご登録は1分で完了!担当のキャリアアドバイザーからご連絡を差し上げます。

  • STEP2
    求人のご紹介

    求人のご紹介

    ご希望に合った求人をご紹介!求人のポイントなど、詳細もご説明いたします。

  • STEP3
    面接・条件交渉

    面接・条件交渉

    面接対策をアドバイス!また、給与交渉や面接の日程調整等を代行いたします。

  • STEP4
    転職成功!!

    転職成功!!

    入社日の調整や手続きなど、ご入社までサポートいたします。

今ならご登録うれしい特典!今ならご登録うれしい特典!

※在庫状況により、キャンペーンは予告なく変更・終了する場合がございます。ご了承ください。
※本ウェブサイトからご登録いただき、ご来社またはお電話にてキャリアアドバイザーと面談をさせていただいた方に限ります。

「マイナビ薬剤師」は厚生労働大臣認可の転職支援サービス。完全無料にてご利用いただけます。
厚生労働大臣許可番号 紹介13 - ユ - 080554