かかりつけ薬剤師 かかりつけ薬剤師

2018年度診療報酬改定で変更。変わるかかりつけ薬剤師の要件とは 文:利根川恵子(薬剤師・医療ジャーナリスト)

2016年度診療報酬で「かかりつけ薬剤師指導料」が設けられ、薬局もかかりつけ薬剤師の育成に力を入れています。キャリアプランの中で、かかりつけ薬剤師を一つの目標にする方も増えているのではないでしょうか。今回は2018年度改定での変更点を解説しながら、かかりつけ薬剤師になるためにどのようなことが必要か、その条件を改めて紹介していきます。

薬局への在籍要件が6カ月以上から1年以上に

かかりつけ薬剤師として、一元的・継続的に服薬状況を把握し指導などを行うには、ある程度の経験や知識が必要です。診療報酬の「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」の算定要件では、下記のように基準が定められています。

 

  • 1.薬局勤務経験が3年以上(※病院での薬剤師勤務経験が1年以上ある場合は1年を上限として含められる)
  • 2.その薬局に週32時間以上勤務
  • 3.その薬局に1年以上在籍(※直近の連続した在籍期間)
  • 4.薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定の取得
  • 5.医療に係る地域活動の取り組みへの参画

 

勤務時間の要件については、2018年度改定で育児や介護などをする人への配慮がなされ、育児などのために短時間勤務を行う場合、週24時間以上かつ週4日以上の勤務が基準とされました。ただし、同じ薬局で、他に32時間以上勤務するかかりつけ薬剤師がいることが必要です。
一方、薬局への在籍期間は、直近の連続した在籍期間で、育児休暇を取った場合は休暇期間を除いた前後の期間でカウントできます。従来は6カ月以上とされていましたが、今改定で1年以上に延長されました。ただし、今年9月末日までは経過措置として6カ月以上の在籍も可とされます。

認証された団体の研修の受講で一定の単位数を取得

研修認定については、がんなどの認定・専門薬剤師とは違い、研修を一定単位以上受講することで取得できる研修認定薬剤師を指します。研修そのものは製薬企業から地域の薬剤師会が主催するものまで、様々な団体によるものがありますが、研修認定薬剤師が取得できるのは、薬剤師認定制度認証機構により認証された30団体による認定制度に限られます。
認証団体は、大学や学会、民間団体など多様で、講習会やe-ラーニングなどの研修スタイルや、必要な単位取得数、年限も異なります。また、研修認定薬剤師は更新制ですが、その期間や条件も団体によって異なります。
例えば、日本薬剤師研修センターの場合は、4年以内に40単位以上を取得することが研修認定の条件とされ、更新の際には3年ごとに30単位以上が必要です。
ただし、各団体の研修での取得単位には互換性があり、複数の団体の研修を受けて単位を取得し、それらを合計して好きな団体に申請し認定を受けることもできます。その際、「他団体からの受け入れ単位数は●単位まで」などと独自ルールを設けている団体が多いので、事前に確認しておきましょう。
薬局のなかには、e-ラーニング研修などを実施する団体と契約し、認定取得をバックアップしている例もあります。就職・転職を考えるときには、職場選びの一つのポイントになるかもしれません。

地域包括ケアの中での薬局のあり方を志向する地域活動

地域活動は、少々わかりにくい概念ですが、地域包括ケアシステムの構築に向けた地域における総合的なチーム医療・介護の活動や、地域において顔の見える関係が築けるような活動というのが基本コンセプトです。地域に根差した、これからの薬局のあり方を意識した要件といえるでしょう。

 

厚生労働省では、地域活動として次のような例をあげています。

 

  • 地域ケア会議など、地域で多職種が連携して定期的、継続的に行う医療・介護に関する会議
  • 地域の行政機関や医療・介護関係団体等が主催する住民への研修会等
  • 行政機関や学校等の依頼に基づく医療に係る地域活動(薬と健康の週間、薬物乱用防止活動、注射針の回収など)
  • 行政機関や地域医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力のもとで実施している休日夜間薬局としての対応、休日夜間診療所への派遣
  • 委嘱を受けて行う学校薬剤師の業務 など

 

2015年に発表された「患者のための薬局ビジョン」では、2025年までにすべての保険薬局にかかりつけ機能を持たせるという方針が示されています。今後は、薬局に勤務する薬剤師は、かかりつけ薬剤師であることが“普通”になっていくと予想されます。かかりつけ薬剤師を目指す人は、上記の5つの要件を踏まえ、積極的に研修を受講するなど計画的に取り組みましょう。

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