薬剤師のスキルアップ 薬剤師のスキルアップ

転職に役立つ「健康サポート薬局研修」とは? 文:加藤鉄也(研修認定薬剤師、JPALSレベル6)

健康サポート薬局「知らない人」9割

日本薬剤師会の調査によると、健康サポート薬局を「知らない」と答えた人は92%に上りました。認知度はまだ低いですが、「使ってみたい」と答えた人は半数以上となっており、期待度の高さが伺えます。
 
団塊の世代が75歳以上を迎える2025年には、医療、健康、介護や予防に対する需要が増えるとともに、高齢化によるさまざまな社会的課題が提言されています。そうした背景から、厚生労働省は、地域住民を対象とした薬や健康に関する相談場所として、他医療機関との連携機能を併せ持った「健康サポート薬局」の設置を進めています。
「健康サポート薬局」に認定されるためには、薬剤師の経験年数や研修受講歴を含めた一定の基準をクリアしなければいけません。
今後、「健康サポート薬局」の増加が予測されるなかで、必要なスキルがあれば、転職にも有利に働くことでしょう。

健康サポート薬局研修でスキルアップ!

薬剤師は医療用医薬品の専門家ではあるものの、一般的な健康相談をはじめ、健康食品やOTC知識を深めたり、認知症支援や禁煙支援に従事したりする機会はあまりありません。また、勤務先によっては他医療機関との連携経験が少ないという薬剤師もいることでしょう。
そうした薬剤師に向けて実施されているのが「健康サポート薬局研修」です。

健康サポート薬局研修で身に着くスキル

□患者さんの話を聞く傾聴スキル
□病態を推測する臨床推論
□OTCの知識
□受診勧奨時の医療機関とのコミュニケーションスキル
□健康相談に対し質の高いアドバイスができる
など

 

「健康サポート薬局研修」は、OTC販売に関する知識を深め、健康相談に対応できるスキルや医療機関との連携について、座学とグループワークを通して実践的に学ぶのが目的です。薬局から指示されて研修を受講するほか、日本薬剤師会が各都道府県で開催している研修を自発的に受講することもできます。
この研修を受けることで、患者さんの話を聞く傾聴スキルや病態を推測する臨床推論、OTCの知識、受診勧奨時の医療機関とのコミュニケーションスキルを伸ばすことができます。

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患者さんの悩みに質の高いアドバイスが可能に

調剤薬局では、服薬指導を通して患者さんのさまざまな健康状態を知ることも業務の一部です。そのなかで、生活習慣病や認知症、不眠症、慢性便秘、感冒、水虫、花粉症、関節痛といった疾患について、悩みを相談されたことがある薬剤師も多いのではないでしょうか。

 

「健康サポート薬局研修」を受講することで、患者さんだけでなく、一般の来局者が抱える健康面での悩みに対して、より質の高いアドバイスができるようになります。医療に関わる専門家としての観点で、服薬指導にとどまらず、要望に合わせた医療材料や健康食品、OTC医薬品を提案し、QOLの向上につなげることができるでしょう。
また、重症の患者さんには医療機関への受診を提案することで、病気の早期発見、重篤化の予防に役立ちます。

 

セルフメディケーションを推進するうえでも、OTCの知識はますます必要になり、スキルの高い薬剤師は患者さんや医療機関からの信頼を獲得することができます。地域から得た信頼は、新たな処方せん応需や、かかりつけ薬局としての利用拡大にもつながり、薬剤師としてのやりがいや薬局の利益にも大きく貢献できることでしょう。

健康相談会など実戦経験は転職に有利

「健康サポート薬局研修」で身につけた知識とスキルを使って、健康相談会の実施や地域活動に積極的に取り組んでみましょう。そうした実践経験は、転職後の新たな職場において、即戦力となれるアピールポイントとなります。
今や、薬剤師にも個性が求められる時代です。幅広い分野の知識や経験を蓄えて、選ばれる薬剤師になりたいもの。まずは、「健康サポート薬局研修」を受けて、自分の魅力をさらに高めるきっかけにしてはいかがでしょうか。

 

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執筆/加藤鉄也

薬剤師。研修認定薬剤師。JPALSレベル6。2児の父。
大学院卒業後、製薬会社の海外臨床開発業務に従事。その後、調剤薬局薬剤師として働き、現在は株式会社オーエスで薬剤師として勤務。小児、循環器、糖尿病、がんなどの幅広い領域の薬物治療に携わる。医療や薬など薬剤師として気になるトピックについて記事を執筆。趣味は子育てとペットのポメラニアン、ハムスターと遊ぶこと。

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