知っておきたい「マイナンバー」 知っておきたい「マイナンバー」
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いよいよ始まったマイナンバー制度。「会社や薬局でマイナンバーの「取扱担当者」に任命された」「適切な管理体制を作るように求められた」という方もいるかもしれません。このコラムでは薬剤師が個人として、事業者として、マイナンバーをどう扱うべきかをお伝えします。マイナンバー制度の基本、薬剤師として必要な情報はここでチェック!

第3回 特定個人情報保護委員会のガイドラインとは

マイナンバーのような新しい制度が始まると、どこから手をつければよいのかわからない方も多いと思います。そんなときに便利なのが公的機関によって提示されるガイドライン。そこには一般的な事業者がとるべき対応などについて、具体的な内容が書かれています。

2015年12月、特定個人情報保護委員会によって、個人情報を正しく取り扱うためのガイドラインが提示されました。特定個人情報保護委員会は2016年1月より「個人情報保護委員会」に変わり、ガイドラインの一部改正内容も公開されています。このガイドラインでは、マイナンバーの取り扱いについて、具体的な指針が定められています。
今回はこのガイドラインにどのような内容が示されていて、何を必ず実施しなければならないのか、具体的に解説します。
参考:「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(個人情報保護委員会)

ガイドラインを遵守しないと法令違反に!

ガイドラインの中で、「しなければならない」、また「してはならない」と記述されている事項については、従わないと法令違反と判断される可能性があります。必ず対応しておきましょう。一方、「望ましい」と記述されている事項については、直ちに法令違反となるわけではありませんが、可能な限り対応するようにしましょう。

ここでは「しなければならない」「してはならない」と記載されている内容のうち、薬剤師の仕事に直結するものを見ていきます。

利用目的に沿わない使い方はできない

第1回でもお伝えしたように、マイナンバーの取得にあたり、利用目的の通知は必須です。もちろん通知するだけでなく、通知した利用目的以外には使用できません。ここでガイドライン上、注意が必要なのは「本人の同意があったとしても」という部分。

個人情報保護法とは異なり、本人の同意があったとしても、利用目的を超えて特定個人情報を利用してはならない。
出典:「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(個人情報保護委員会)

もし本人がOKと言った場合でも、ガイドライン上で認められていない使い方もあります。例えば、社員番号の代わりにマイナンバーを使うことは認められていません

事業者は、従業員等の個人番号を利用して営業成績等を管理する特定個人情報ファイルを作成してはならない。
出典:「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(個人情報保護委員会)

委託する場合は再委託先も管理が必要

マイナンバーの管理を専門の業者に委託する場合も多いと思います。収集から管理まで任せることで、従業員のマイナンバーを取り扱う必要がなくなります。しかし、委託する場合は、その委託先に加えて、再委託先までの管理が求められるのです。

「委託を受けた者」に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
このため、委託者は、「委託を受けた者」において、番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行わなければならない。
出典:「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(個人情報保護委員会)

あなたのマイナンバーを他の会社に渡してもいい?

WEBサイト等で会員登録などをする際、自分の氏名や住所などの個人情報を入力する場面があると思います。しかしマイナンバーにおいては、このような状況で本人が同意した場合でも、マイナンバー本来の目的以外で使用すること、および情報提供を求めることは禁止されています。
例えば、「マイナンバー占い」といったWebサービスが話題になったことがありました。マイナンバーを入力させて占いを表示するような内容ですが、利用者の立場でも使ってはいけませんし、もちろんそのようなサービスを提供してもいけません。
マイナンバー法と個人情報保護法では、取扱い方が異なるのです。

番号法で限定的に明記された場合を除き、個人番号の提供を求めてはならない。
番号法で限定的に明記された場合を除き、特定個人情報を提供してはならない。
出典:「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(個人情報保護委員会)

営業担当者がマイナンバーを受け取ってはダメ?

医師にセミナーを依頼した場合など、個人に講演料を支払うケースもあるかと思います。その際にマイナンバーを受け取りますが、医師とのやりとりを実際に行うのは営業担当者である場合がほとんどですよね。この営業担当者がマイナンバーの管理担当者でない場合は、預かったマイナンバーを管理担当者へ速やかに受け渡しましょう。この際、控えなどを手元に残してはいけません。

書類等を受け取る担当者と支払調書作成事務を行う担当者が異なるときは、書類等を受け取る担当者は、支払調書作成事務を行う担当者にできるだけ速やかにその書類を受け渡すこととし、自分の手元に個人番号を残してはならない。
出典:「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(個人情報保護委員会)

なお、マイナンバーの収集とは、「集める意思を持って手元に置くこと」を意味しますので、相手先からマイナンバーの提示を受けただけでは収集にはあたりません。ご安心ください。

次回は「マイナンバーが漏洩してしまったらどうすればいいのか」についてご紹介します。

増井 敏克(ますい としかつ)

増井技術士事務所 代表。技術士(情報工学部門)。
情報セキュリティやソフトウェアの開発など、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援を行っている。マイナンバーに関する講演も多数実施。
また、ビジネス数学検定1級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとして活動。
近著に「おうちで学べるセキュリティのきほん」(翔泳社)、「プログラマ脳を鍛える数学パズル」(翔泳社)がある。

増井 敏克(ますい としかつ)

増井技術士事務所 代表。技術士(情報工学部門)。
情報セキュリティやソフトウェアの開発など、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援を行っている。マイナンバーに関する講演も多数実施。
また、ビジネス数学検定1級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとして活動。
近著に「おうちで学べるセキュリティのきほん」(翔泳社)、「プログラマ脳を鍛える数学パズル」(翔泳社)がある。

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