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地域活動にも活かせる「薬物専門講師」とは

かかりつけ薬剤師として、地域や教育現場から発信する薬物専門講師

かかりつけ薬剤師の条件に挙げられる「地域活動」について、何をすればよいか迷っている方もいるかのでは。薬局外での活動にはさまざまな方法がありますが、意外と知られていないのが地域独自の制度「薬物専門講師」です。今回は、かかりつけ薬剤師の地域活動としても認定される「薬物専門講師」についてご紹介しましょう。

薬物専門講師とは

薬物専門講師は、東京都をはじめ、愛知県や広島県で登録される独自の制度です。薬剤師をはじめの専門知識を有する人が一定の講習を受けることで取得できる地域認定の資格で、取得することで活動の場が広がります。薬物専門講師の制度をおいていない都道府県では、学校薬剤師が薬物乱用防止教室を実施して、薬物専門講師と同様の業務を行っていますが、制度をおいている地域では、講師の資格を取ることで、独立した活動をできることがメリットといえるでしょう。

 

薬物専門講師の主な仕事は、脱法ドラッグや薬物乱用、薬の正しい使い方について、学校や薬剤師会の依頼に基づいた講義を行うこと。子ども達への啓発はもちろん、学校職員やPTAなど大人達を対象とする場合もあります。薬物乱用は社会問題になっており、早期教育によって乱用防止を呼びかけ、子ども達とかかわる大人に正しい知識を広めることが大切です。
資格取得までの内容として、有機化学や毒性学を改めて学べるだけでなく、専門的な知識を持つ薬剤師のスキルを活かしながら、薬物の影響を多くの人に正しく伝えられるようになります。

薬物専門講師になるには

薬物専門講師は一部の地域でのみ認定される制度です。実際に講師になるための方法として東京都の例を紹介しましょう。

 

東京都の場合は、下記の2点の条件を満たしたうえで「薬物専門講師証明書交付申請書」を提出することで、薬物専門講師としての活動が認定されます。

 

  • ・3年以内に3回の薬物に関する講師活動
  • ・3年以内に1回以上の薬物専門講師研修の受講

 

薬物に関する講師活動を行う方法としては、薬剤師会からのあっせん、自発的な行動、地域イベントなどが挙げられます。薬剤師会からのあっせんは、地区の薬剤師会に入会していれば受けられます。今後、薬物専門講師としての活動を検討している場合は、まず地区の薬剤師会に入会し、積極的にその旨を伝えておくとよいでしょう。

 

また講師活動として、自発的に薬物乱用防止教室を実施することも認められています。薬局を利用する患者さんに声をかけ、自身が所属する地域でイベントを立ち上げてもよいでしょう。地域交流として、薬物について話す機会を作ることも有意義な活動です。
自治体が主催するイベントでも薬物に関する講師活動の機会があるため、居住地の自治体へ専門的な知識を持つ講師として活動できることをアピールするのも一つの手です。地域の保健所や市役所を通して、薬物対策を行う団体や組織を紹介してもらったり、社会福祉協議会等でボランティア講師として登録したりするなど、活動の幅を広げてみましょう。
東京都での薬物専門講師研修に関しては、東京都薬剤師会が刊行する雑誌に実施日の掲載があります。年に1回の開催のため、見落としなどが心配な場合は、薬剤師会の会合の際に確認しておきましょう。

薬物専門講師として薬物乱用を未然に防ぐ

薬剤師としての知識を教育の現場でも活かすことができるのが、薬物専門講師の魅力。氾濫する脱法ドラッグや薬物についての危険性を子ども達に正しく伝え、犯罪を未然に防ぐ役割を担います。
薬物が以前よりも身近なものとなった現代において、薬物乱用防止教室のニーズは年々高まっています。力を入れて取り組んでいる自治体も少なくありません。

 

地域や教育現場での活動は、国が目指している「町のかかりつけ薬剤師」の姿そのものではないでしょうか。薬局を飛び出し、かかりつけ薬剤師としての活動をすることができたら、薬剤師業務の幅を広げることにもつながります。

かかりつけ薬剤師を取得するなら視野に入れたい薬物専門講師

現時点ではあまり知られていない薬物専門講師という資格。しかし、かかりつけ薬剤師を目指している人は着目していきたい制度です。かかりつけ薬剤師の条件として必要とされる「地域活動」はなかなかハードルが高く、実施が難しいのが現状でしょう。厚生労働省が「地域活動」の例として提示している「学校薬剤師」というポジションも募集自体が少ないため、空きがなければ活動に従事できないということになってしまいます。

 

一方で、薬物専門講師はまだまだ制度を確立している自治体は少ないものの、薬剤師ならだれでも挑戦することが可能です。東京都が主催する薬物専門講師は、都外に在住していても資格は取得できます。ただし、活動場所は都内に限られますので、こうした条件をふまえながら、近隣の地域で実施される講座に注目してみるとよいでしょう。地域活動の一環として、薬剤師の専門性を活かせる薬物専門講師は、これから注目される資格かもしれません。

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