ママ・パパ薬剤師の本音 ママ・パパ薬剤師の本音

薬剤師として働きながら、育児や家庭も大事にしたい。ワークライフバランスを重視する薬剤師の働き方とは? 現役ママ薬剤師蓬原菜々さんが復職や働き方に関する本音を語ります!

Vol.3
ママ薬剤師、復職成功の5つの条件

目次

約3年のブランクから薬剤師に復職

「海外での生活と育児で完全に約3年のブランクがあいてしまった私は復職できる?」
今回はそんなママ薬剤師の復職についてお話したいと思います。

――海外駐在は、楽しいことも3倍、大変なことも3倍!
薬剤師のキャリアを一時中断し、アメリカ・メリーランド州で過ごした3年間は、まさに“3倍”の日々。家族や友人達と過ごす毎日は楽しいこともありましたが、落胆したり、驚いたりの連続で、ジェットコースターのよう。私自身の帰国後のキャリアについて考える余裕はありませんでした(Vol.2参照)

そんな私が薬剤師の仕事について考え始めたのは、帰国して1年が過ぎ、下の子が小学校に入学して幼稚園の送迎から解放された頃。
子供たちが昼間は学校で過ごすようになったことで、時間的にも精神的にも少し余裕ができたことで復職を意識し始めました。

「このままブランクが長くなると採用してくれるところがなくなるかも」
「毎日時間を持て余しているのはもったいない…」

復職への不安が少しずつ頭をもたげてきました。

薬剤師の資格がもったいない

「あなた、薬剤師の資格があるのに、使わないのはもったいないんじゃない?」

復職の決め手となった母の言葉です。

母は大学卒業後、銀行に勤めていました。当時にしてはキャリアを積んでいましたが、妊娠してつわりの症状がひどく、制度も今のように充実していなかったため、退職したのですが、仕事を辞めたことに後悔が残っているようでした。

母はハローワークに通ったものの、子育てしながら働ける仕事が当時は見つからなかったそうです。いわゆる高学歴だった母ですが、そのときの経験からか、「女性は手に職をつけるべき」と、折に触れ言われていました。

「そろそろ働いてもいいんじゃない?」と、そこへ夫も加勢…。
母と夫のプレッシャーもあり、薬剤師の仕事を探すことになりました。

復職成功のための5つの条件

まずは、人材紹介会社のホームページから登録しました。キャリアアドバイザーさんと面談をする前に、先輩ママ薬剤師である友人や会社員時代の先輩で今は薬剤師として働いている人に、どんな勤務条件を希望すべきか教えてもらいました。

私が希望する条件や気になったことを書き出してみると、以下の5つです。

  • 1 小児科の門前薬局は避ける
  • 2 1人薬剤師にならないこと
  • 3 扶養範囲内で働けること
  • 4 就業日及び時間はしっかり伝える
  • 5 時給は最初の交渉が大事

 

1「小児科の門前薬局は避ける」

小児科の処方せんは、粉薬や液剤が多いため、手間と時間がかかります。お子さん1人1人の体重に合わせて出された処方せんに基づいて、粉薬を量り、分包機にかけて包み、監査し、問題があればそれぞれ対応するなど、患者さんにお渡しできる状態にするのに時間がかかります。患者さんが並んでしまったり、待ち合いのイスには患者さんがあふれたり、いつもより長い待ち時間に患者さんが怒り出したりしてしまうことも。

2「1人薬剤師にならないこと」

これまでの私は、主に国内メーカーと外資系製薬企業に勤めていたので、調剤薬局の経験がありませんでした。大学で学んだことは、調剤の現場ではあまり役に立ないという悲しい現実も…。現場の経験が浅い薬剤師が1人ですべての業務をこなすのは、さすがに無理がありそうです。

3「扶養範囲内で働けること」

そもそも仕事をバリバリこなしていくのは、私の本意ではありませんでした。子供たちとの時間はしっかり確保したいと思って外資系製薬会社を退職した経緯もあり、夫の扶養の範囲内となる、パートで週2回の勤務を希望しました。

4「就業日および時間はしっかり伝える」

勤務は午前中から午後1時まで。子供が学校から帰ってくる前に帰宅して子供たちを迎えたい。加えて、「通勤時間が短い」「家から近い」という勤務地に関する希望もありました。
しかし、子供が学校や幼稚園に行っている間だけ働きたいと考えているママ薬剤師は多いため、午前中勤務はママ薬剤師にとって“激戦区”となっています。

5「時給は最初の交渉が大事」

先輩ママ薬剤師によると、パート薬剤師の時給はなかなか上がらないそうで、10年働いても時給が変わらない場合も。そのうち上がるだろうと、低い時給からスタートすると失敗しそうです。
そこでまず、私は薬剤師として働く友人に聞いたり、インターネット等で相場を調べたりしたうえで、希望する時給を提示し、キャリアアドバイザーさんに薬局のオーナーさんと交渉してもらい、希望する時給で働くことができました。

これらの条件をキャリアアドバイザーさんにしっかりと伝えました。
実際の薬局の面接では、面と向かって言いにくいお金や勤務時間の希望は、キャリアアドバイザーさんが事前に交渉しておいてくれたので、希望通りの条件で話が進みました。

転職前に職場の見学を忘れずに

キャリアアドバイザーさんには、職場の見学もセッティング及び同行していただきました。
1社目は、総合病院の門前薬局でかなり忙しそうな雰囲気…。処方せんの枚数も扱っている診療科の数も多く、勉強になりそうでしたが、ブランク明けかつ子供が小学校へ入ったばかりで、家で薬や保険に関する勉強に多くの時間を割くことができない私が求める職場ではないと判断しました。

2社目に見学と面接に行ったのが、今勤務している調剤薬局です。
薬局のオーナーさんと、私より年上のパート薬剤師さんが2名、そこへ40代のパート薬剤師である私が加わり、総勢4名という家族経営に近い職場。調剤事務2名のうち1名はオーナーさんの弟さんで、とてもアットホームな雰囲気でした。

「娘の運動会が雨で中止になっちゃって、シフトを変更してもらえますか?」

「いいよ、いいよ、大丈夫ですよ。運動会も大変だよね」
既に子育てを卒業したベテランママたちは、子育て真っ最中の私にとても優しく、子育てのアドバイスまでしてもらうことも。そんな職場に2社目の面接で出会えたのは、とても幸せなことです。

――寒い季節になってきて、薬局は繁忙期です。

小児科の粉薬をせっせと調剤していたら、大人の患者さんがズラリ…。
「そろそろお昼を過ぎて、帰らないと…」と焦りながらも、お母さんが抱っこしている小さな赤ちゃんを見ていると、
「なんてかわいいんだろう」と、孫を見るような気持ちで目を細めてしまいます。

復職の希望条件にあげたのは、「小児科の門前薬局は避ける」だったけれど、私が選んだ職場は、小児科と内科を併設したクリニックの門前薬局なのでした。
ひとつぐらい条件を妥協したとしても、相性のいい職場はあるものです。

*今月のママ薬剤師・菜々さんの本音川柳

「復職は 希望条件 明確に」

小児科の門前は避ける…はずだったけれど、かわいい子供を見ていると忙しさも吹き飛ぶ菜々さんなのでした。次回は、ママ薬剤師の「ワークライフバランス」について考えてみたいと思います。お楽しみに!

>>ママ薬剤師が働きやすい職場とは?「ママ薬剤師求人特集」を見てみる

蓬原奈々(ふつはらなな)

2人の女の子を育てるママ薬剤師。東京薬科大学卒業後、メーカー勤務を経て大手外資系製薬会社へ転職。結婚・出産を経て退職し、夫の転勤でアメリカへ。幼子を抱えメリーランド州で3年間暮らしたのち帰国。現在は子育てと両立しながら薬局に勤務中。

蓬原奈々(ふつはらなな)

2人の女の子を育てるママ薬剤師。東京薬科大学卒業後、メーカー勤務を経て大手外資系製薬会社へ転職。結婚・出産を経て退職し、夫の転勤でアメリカへ。幼子を抱えメリーランド州で3年間暮らしたのち帰国。現在は子育てと両立しながら薬局に勤務中。

<PR>満足度NO.1 薬剤師の転職サイト