接遇マナー・テクニック 接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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精神患者さんとの上手なコミュニケーション
精神患者さんとの上手なコミュニケーション
精神科の門前薬局に異動したばかりです。先日、患者さんとお話をしているときに、ふと医師に対して否定的なニュアンスの言葉を使ってしまい、患者さんを怒らせてしまいました。それ以降、その患者さんは私が応対する際には一切口を利いてくださいません。この患者さんに心を開いていただくには、どうしたらいいのでしょうか。
Answer
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精神科の患者さんだからと身構えすぎない
確かに、精神科の患者さんは接し方が難しいケースもみられます。しかし、身構えすぎてしまうと変に緊張して余計に対応を誤ってしまいがち。必要以上に特別扱いをされると不愉快に思う患者さんもいますし、「苦手だなぁ」などの思いは相手にも伝わります。あくまでも一人の患者さんとして、いつも通りの応対を心がけることが大切です。
質問についてですが、大前提として、患者さんは医師のことを信頼しています。多くの病院がある中から、信頼できる医師を探すのは簡単なことではありません。長期的な治療が必要な病気や精神疾患であればなおさら医師選びは難しく、だからこそ「この人なら」と思った医師をとことん信頼している患者さんが多いのです。医師が病院を変わったら、医師について病院を変わる患者さんも少なくありません。
それだけ信頼している人のことを第三者に悪く言われたら、自分のことをけなされたような気分になるのは当然のこと。患者さんが医師に対して不満を持っていて、それを相談された場合はケースバイケースでの対応が必要ですが、基本的には医師や処方内容について薬剤師が否定的な発言をするのは避けた方がよいでしょう。患者さんとの信頼関係を結ぶうえでもマイナスに働く可能性があります
地道にコツコツと信頼関係を取り戻す努力を
さて、今回のケースではすでに患者さんが怒ってしまっているので、フォローするところから始めなければいけません。もし、怒らせてしまった原因がはっきりしていて、なおかつあまり時間が経っていない場合は「先日は申し訳ございませんでした」と謝ってしまうのも手です。
しかし、今回のケースはすでに時間も経っているようなので、地道にコツコツと取り組むしかありません。一度失った信頼を取り戻すのは、初対面から信頼を築いていくよりも大変なことです。話を聞いてもらえるようになるまで笑顔での応対、元気な挨拶、丁寧な言葉づかいを心がけ、相手がどんな態度をとっても諦めないことです。そうして根気強く対応していくうちに、何らかの糸口が見つかるはずです。
「怒っているから」と、その患者さんを避けてしまっては、薬剤師としての業務を放棄することになります。患者さんを怒らせてしまう経験は、薬剤師として働いていれば誰でも一度や二度はあること。そのたびに患者さんを避けていては成長できませんし、そのために業務の流れを変更するようなことがあれば、周囲にも迷惑がかかるでしょう。
もちろん、患者さんの方から「あの人には対応してほしくない」と言われてしまったら従わざるをえませんが、できる限りのことを続け、信頼を取り戻せるよう前向きにチャレンジしてほしいと思います。
一度失ってしまった信頼を取り戻すのは大変なこと。笑顔、挨拶、丁寧な言葉づかいで地道な努力を!
一度失ってしまった信頼を取り戻すのは大変なこと。笑顔、挨拶、丁寧な言葉づかいで地道な努力を!
村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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