接遇マナー・テクニック 接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
好印象な物の受け渡し方
好印象な物の受け渡し方
私はよく「元気がいいね」と言われる反面、細やかな気遣いなどが苦手なタイプです。自覚はあるのですが、お客さまに書類を書いていただくためのペンを渡すとき、また、お預かりした書類をお返しするときなど、注意していても物の受け渡しが乱暴になってしまいます。「物の受け渡し」では、どんな点に気をつけるとよいのでしょうか。
Answer
Answer
渡す前のアイコンタクトがカギに
相談者さんは男性なので、身体が大きな方だと余計に動作が大きく、雑なように見えてしまうのかもしれませんね。元気なのは素晴らしいのですが、一つひとつの動作を意識することが大切でしょう。
 
質問にあるような「物の受け渡し」で気をつけたいのは、渡す物を見ながら渡さないこと。相手と目を合わせ、「今から渡しますよ」とアイコンタクトを取ってから渡すのです。そうすればお互いに「今から物のやり取りをするんだ」という心構えができますし、動作も丁寧に見えます。
また、基本は掌(てのひら)を上に向けた動きを心がけてください。掌は「たなごころ」とも言い、「手の心」を意味しています。自分の心と一緒に渡すという気持ちを表現する意味でも、掌は上に向けることを意識すると、やさしく丁寧に見えます。
もちろん、動作はゆっくりと。質問者さんは動きが雑になりがちという自覚があるようなので、ことさら意識してゆっくり動くことを心がけましょう。また、物を渡すときは指先を揃え、必ず両手で。両手で扱うということは、慎重に大切に扱っているということです。書類はもちろん、ペンのような小さなものでも空いている方の手を添えて、両手で渡します。実際にやってみるとわかりますが、両手で物を渡そうとすると、動作は自然とゆっくりになるもの。特に意識しなくてもゆっくり丁寧な動きになります。
手から手へ渡せば音の心配もなくなり、より丁寧に
物を渡すときは「手から手へ」が基本。記入していただくための書類なども、テーブルなどに置いて渡すのではなく手渡しを心がけましょう。ものを置かなければ音が出ることもありませんし、何よりも丁寧です。とはいえ、手渡しが難しい場合もあると思います。物をテーブルに置く際も、音を立てないように両手でゆっくり置きましょう。
もし、ファイルなどを持っていて片方の手が塞がっている場合も、持っているものをいったん置くなどして常に両手で渡すことを徹底してください。周囲に置く場所がなくてどうしても片手で渡さざるを得ない場合は、「片手で失礼します」と一言添えられるとベストです。相手の方との関係性などにもよりますが、実際に口に出していうのが堅苦しすぎるようであれば、心の中で「片手ですみません!」と言うだけでも動作が丁寧になると思います。
 
急いでいると動作が乱暴になりがちですが、「急ぐ」と「雑」は別物です。渡すという動作だけで見れば、雑に渡しても丁寧に渡しても差はほんの数秒です。「急いでいたから」「忙しかったから」を言い訳にせず、一つひとつの動作にまで気を配れるよう意識し続けることから始めてみましょう。
「渡す」という動作を日ごろから意識することで、所作全体を見直すきっかけにもなります
「渡す」という動作を日ごろから意識することで、所作全体を見直すきっかけにもなります
村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
今さら人に聞けない接遇・マナー、クレームへの対処方法など、薬剤師さんからの質問を募集しています。カルテ情報(お名前、薬剤師歴、年齢、性別、勤務先種別)を記入の上、こちらからご応募ください。皆さんの質問に、村尾孝子先生がわかりやすくお答えします。

<PR>満足度NO.1 薬剤師の転職サイト