薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.05.30公開日:2017.05.09 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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薬局内の掲示物は何が必要?患者さんに喜ばれる工夫ポイント
薬局内の掲示物は何が必要?患者さんに喜ばれる工夫ポイント

薬局長が代わり、薬局内の掲示物を見直すことになりました。責任者として私が指名されたのですが、「薬局内にあるべき掲示物」にはどのようなものがありますか? 村尾先生から何度か「薬局に掲示しては」との回答のある質問がありましたが、患者さんに役立てていただける掲示物の例を教えていただけないでしょうか。

Answer
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患者さんの視点に立って「役立つ掲示物は何か」を考える

薬局開設許可証や麻薬小売業者免許証など、法律で定められているものはすでに掲示していると思いますので、ここではそれ以外のものについてお伝えします。
 
考えられる候補としては、以下の掲示物が挙げられます。

  • 包装変更等のお知らせ
  • 薬代に関する説明
  • 処方せんの有効期限についての説明
  • 待ち時間(順番が前後すること)についての説明
  • かかりつけ薬剤師制度についての説明
  • インフルエンザ対策など、流行している病気の注意喚起
  • 栄養や生活習慣などに関する豆知識

 
あまりたくさん掲示するわけにはいきませんが、患者さんが待っている間に読んでもらえていたらいいなと思う内容をピックアップしてみてください。ポイントは、患者さん目線で役に立つ掲示物を意識することです。薬剤師にとっての常識が患者さんにとっても常識だとは限りません。どんな情報があれば役に立つか、自分で判断がしにくいなら考えつく限り候補を書き出し、家族や友達に患者さん目線で見てもらうといいでしょう。

なお、「高齢の患者さんに対する接遇・マナー」でも触れていますが、アレルギーや感染症の流行、自身の体調不良などに関係なく、薬剤師がマスクを着用して患者さん応対している場面を多く見かけるようになりました。感染予防や空調管理の影響等の理由もあるとは思いますが、患者さんの前ではマスクを外すのが本来のマナーの考え方。どうしてもマスク着用で応対するのであれば、患者さんに一言伝える、あるいは「マスク着用で対応することがありますので、ご了承ください」というようなお断りを掲示するという方法もあると思います。

掲示物の張りっぱなしはイメージダウン。古くなったら作り直す

何を掲示するか決まったら、「見せる工夫」をしてみましょう。アットホームな雰囲気を打ち出したいなら手描きでもいいですし、インテリアの邪魔にならないようスマートな感じにしたいならPCで作成して印刷してもいいでしょう。こうした掲示物は、患者さんにとって待ち時間のいい暇つぶしにもなります。せっかく作るのですから、見やすく、読みやすく、興味をひくものができるよう工夫してみてください。
 


 
またときどき、何年も張りっぱなしで日に焼けて色褪せたものや端が破れているものを掲示している薬局もありますが、明らかにイメージがよくないので作り直しましょう。季節のアナウンスは定期的に張り替えますが、継続して張り続ける掲示物であれば、原本を残しておいてその都度コピーを張り出したり、ラミネート加工ができたりするとベストです。
 
また注意したいのは、掲示物はすべての患者さんが見てくれているとは限らないということです。掲示している内容であっても、必要なときには口頭で丁寧に説明する姿勢が大切です。
張り紙は情報発信の大切なツール。いろいろと工夫すれば、患者さんとのコミュニケーションツールとして活用できます
張り紙は情報発信の大切なツール。いろいろと工夫すれば、患者さんとのコミュニケーションツールとして活用できます

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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