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困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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服薬指導時の言葉の選び方
服薬指導時の言葉の選び方
キャリアが6年もあるのにお恥ずかしい話ですが、服薬指導時によく患者さんを怒らせてしまいます。最近、患者さんが不快そうにされたのは「このお薬は副作用で、めまいや手の震えが出ることがあります」と伝えたときでした。専門用語は避け、わかりやすい言葉に置き換えたつもりだったのですが……

Answer
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「自分」ではなく患者さんのことを第一に
気をつけているのにしばしば患者さんを怒らせてしまうということは、単に言葉の問題だけではないのかもしれませんね。まったく同じ言葉を使っているのに、人によって与える印象が違うのは、声や表情、言い方がとても重要だからです。例えば今回の相談者さんは男性ですが、女性と男性ではどうしても女性の方がやわらかな印象になります。男性、特に大柄な男性はそれだけで圧迫感や威圧感を与えてしまう可能性もあるので、ことさら意識して優しい印象を伝える必要があります。
 
ポイントとしては、「自分」にフォーカスしないことです。「(私は)言葉をちゃんと選んでいる。専門用語も使っていないはず」と自分の対応が正しいかどうかに気をとられるあまり視野が狭くなり、患者さんのことが後回しになっていないでしょうか。接遇で大切なのは、「自分」ではありません。目の前にいる患者さんがどう感じているか、どう受けとめるかです。大切なのは専門用語を使わないことではなく、患者さんにわかりやすく「伝わる」こと。つまり、「専門用語を使わない」「わかりやすい言葉を選ぶ」ということは一つの手段にすぎないのです。
患者さんの気持ちを深く推察する
もう一点、副作用のことを聞いた患者さんがどう感じるかという「先」を推察することが大切です。そのために、まずは患者さんが副作用に対してどの程度の拒否感を持っているか観察します。会話をしながら「以前に副作用が出たことはあるか」「どのレベルの症状だったのか」「それに対して今はどう感じているのか」などを確認します。
副作用にそれほど怖さを感じていないようであれば、副作用の症状や対応策について言葉を選びながら伝えます。また「副作用」という言葉に過敏に反応してしまうようなら、「心配かもしれませんが、大切なことなので少し副作用のことをお伝えしますね」といった前置きを入れ、心づもりをしてもらうことも有効でしょう。
 
また意外に多いのが、自分の体質を否定的に感じている患者さんです。例えば「私はいろんな薬の副作用が出る体質で……一緒に飲む水の量が足りないのかな」などと、自分が悪いと思っているケースもあります。体質であれば仕方がないことですし、水の量が足りないのは患者さんが悪いのではなく、しっかりと説明していなかった薬剤師の責任です。そうした患者さんの裏の気持ちまでくみ取る姿勢をもって接すれば、きっと患者さんが怒るということも減ってくると思います。
言葉はあくまでもツールの一つ。患者さんと向き合い、真摯に対応する姿勢が大切です
言葉はあくまでもツールの一つ。患者さんと向き合い、真摯に対応する姿勢が大切です

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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