薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2015.11.18 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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変更不可の処方せんで患者さんが後発医薬品を希望したら
変更不可の処方せんで患者さんが後発医薬品を希望したら

「後発医薬品への変更不可」という記載のある処方せんを持ってこられた患者さんが、「後発品は安いと聞いたから」という理由で、後発医薬品を希望されることがあります。このような場合の応対や説明の方法について、教えてください。

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先発品と後発品の違いは患者さんにもわかりやすく説明を

ドクターの治療方針や治療経過などで大きく分かれる後発医薬品の取り扱い。患者さんのことを第一に考えるならドクターに問い合わせてみるのも方法の一つではありますが、医師の処方権に抵触する可能性もあるため、日頃からよほどフランクな関係を築けているケースでなければ難しいでしょう。問題は、そのことを患者さんにどう伝えるかです。たとえば薬剤師にとって、先発品と後発品では適応や用法・剤形などが異なることがあるのは周知の事実ですが、患者さんはそうしたことを知りません。「まったく同じ薬で、価格だけ違う」と思っている人も少なくないので、まずはその点をしっかり説明する必要があります。
 
よく出る薬に関しては、効き目や価格を比較した表やグラフを資料としてあらかじめ用意しておくと患者さんもわかりやすいと思います。そうやって「先発品と後発品は違う」ということを正しく理解してもらったうえで、「先生があえて先発品を選ぶのには理由があると思います」とメリット・デメリットを詳しく説明しましょう。

患者さんがドクターに相談しやすい方法をアドバイスする

また、継続して使う薬であれば「後発品が使えるかどうか、次回以降に先生に相談してみてください」というアドバイスをしてもいいでしょう。どうしても先生には言い出しにくいという患者さんであれば、後発品の使用を奨励するパンフレットなどを渡して「これを先生に見せて、後発品について尋ねるきっかけに使ってください」とアプローチの方法をアドバイスしてもいいと思います。
「変更不可」の取り扱いは現状では本当に難しいところですが、患者さんには納得して薬を飲んでもらいたいですね。そのためにも日頃から近隣の医師へ後発品についての考えを聞いておくなど、最善の努力を惜しまない姿勢を常に心がけてほしいと思います。
後発医薬品の特性や医師の処方意図を、患者さんにわかりやすくアドバイスするのも薬剤師の役目です。
後発医薬品の特性や医師の処方意図を、患者さんにわかりやすくアドバイスするのも薬剤師の役目です。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
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