薬剤師の接遇マナー・テクニック 公開日:2015.10.21更新日:2023.03.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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電話応対の基本がわかりません
電話応対の基本がわかりません

就職してから電話応対の正式な作法を教わる機会がなく、いまだに電話応対が苦手です。基本的なことでお恥ずかしいのですが、電話応対でのマナーを教えてください。

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数をこなしてとにかく慣れる

電話応対が苦手という薬剤師さんは多いようです。大手の会社であれば新人研修などで電話応対を学ぶ機会もありますが、ほとんどの薬局では現場で先輩から少し教わる程度という状況でしょう。
 
電話応対の一番のコツは“慣れ”です。緊張するとは思いますが、苦手であればあるほど積極的に電話を取るように心がけてください。「初めのうちは誰でも緊張するものだ」と思うと、少しは気が楽になりませんか? 他の薬剤師さんたちが皆忙しくしているなか、新人が役に立てる数少ない仕事のうちの一つです。積極的に電話に出て、数をこなしてください。そうすることで、半年も経てば自信を持って応対できるようになっているはずです。
 
慣れないうちは電話近くの見える場所にメモを貼っておくといいでしょう。「はい。マイナビ薬局の村尾が承ります」など、細かい文言はそれぞれの薬局で取り決めがあると思いますので、それを書いたメモをすぐ見える位置に貼っておきます。また、電話がつながった直後は音声が途切れてしまうことがあります。最初に「はい」の一言を入れると先方がこちらの名前を聞き取りやすくなるため、より丁寧な対応になります。
 
まれに、電話では薬局名だけで名前を名乗らないケースもあるようですが、責任を持って電話を受けるという意味でも、できるだけご自身の名前を名乗ることが望ましいでしょう。
その他、「手元にメモとペンを必ず用意する」「利き手と反対の手で受話器を取る」「意識してゆっくり話す」「低めの声ではっきり話す」「(話が終わったら)丁寧に受話器を置く」などのポイントも、一つひとつ実践できるように意識するといいでしょう。

取り次ぎの電話を受ける際の注意点

また、意外にミスをしやすいのが取り次ぎの電話を受けるときです。
保留になっている電話を受けた際は「おまたせしました」あるいは「お電話代わりました」と言い、その後に必ず「村尾です」と名乗るようにします。実際に自分が経験するとわかると思いますが、電話は顔が見えないので誰が話しているのかがわかりません。呼び出した人が不在の場合、代理の人が電話に出る可能性もあるのです。先方のそうした不安を解消するためにも、「村尾です」としっかり名乗ることが大切です。
 
電話応対はこうした小さな気遣いができるかどうかで印象が大きく変わります。やり取りをする相手の気持ちを考えながら丁寧に応対できるといいですね。
電話は接遇の基礎。しっかり練習するためにも進んで電話を取りましょう
電話は接遇の基礎。しっかり練習するためにも進んで電話を取りましょう

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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