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困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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処方薬で副作用が出たと言われたら
処方薬で副作用が出たと言われたら
私が勤めている薬局でお薬をもらったという患者さんから「副作用が出た」とクレームを受けました。投薬したのは別の薬剤師ですが、ちょうど不在のときに私が受けつけました。副作用の症状を聞くと、その処方薬のせいではないように思えるのですが、どう対応したらよいでしょうか。
Answer
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まずは、副作用の対処から
副作用が起こった場合、通常であれば医師に直接相談、という流れになるケースが多いと思います。しかし、今回のように薬局に直接クレームを言いに来たということは、もしかすると投薬時に説明不足や誤りがあったのかもしれません。あるいは、お薬を渡す際の薬剤師の対応があいまいで、もともと少しばかりの不信感を持っていたところに予期せぬ症状が現れ、薬剤師のせいにしたい気持ちが生じたのかもしれません。
いずれにしても、まずすべきは副作用の症状をしっかり聞き出すこと。副作用といっても幅広く、重篤なものから軽微なものまで様々です。緊急を要する場合は一刻も早く病院で医師の診断を仰ぐ必要があります。それほど重くない、あるいは一過性の症状ですでに治まっている場合は、薬を飲んだときの状況や用法・用量が正しかったか、併用薬の有無や併用可否、アルコール摂取など飲食物の状況等を確認し、今後の対応について検討します。
何より大切なのは患者さんの不満と不信感を取り除くこと!
副作用が出てしまった場合、薬剤師の説明等に誤りや不足があったのであれば謝罪は当然です。被害の大小にかかわらず誠心誠意の謝罪を行い、状況によっては上司とともにお詫びにうかがう必要もあるかもしれません。たとえ投薬した薬剤師本人がいない場合でも、同じ薬局スタッフとして謝罪しましょう。
ただ、今回のケースでは処方薬の副作用かどうかわからない状態です。副作用の診断は医師が行うため受診は必須ですが、副作用については曖昧な場合が多いのも事実。しかし、だからといって「当方に非はない」という対応だけはしないでほしいと思います。
患者さんにしてみれば、今回の一件で薬に対する不安や不信感を抱いたはずです。その上薬局の対応が悪ければ不信感はさらに大きくなってしまいます。薬剤師の使命は薬を正しく飲んでもらうよう導くこと。ここで一番重要なのは「責任は誰にあるのか」ではありません。薬剤師側に非があってもなくても、患者さんがつらい思いをしたのは事実。その気持ちを受けとめることが大切なのです。

クレーム応対のときのように低頭平身で謝罪する必要はありませんが、「大変でしたね」という労わりの心で丁寧に接し、薬の専門家として、少しでも早い回復のためにできる限りの情報提供を行いましょう。今後同じような副作用を起こさないために、飲み方などで注意すべき点や生活習慣の工夫・改善、おくすり手帳の活用など、アドバイスできることはいくらでもあるはずです。それによって薬や薬剤師への不満や不信感が和らぎ、さらに「こんなことまで教えてくれた」とファンになってもらえたら大成功。こうした場面で有益なアドバイスがたくさんできるよう、日頃の研さんを欠かさないでくださいね。

まずは患者さんの訴えを受けとめること。真摯な対応に適切なアドバイスをプラスすることで不満や不信感を取り除きましょう。
まずは患者さんの訴えを受けとめること。真摯な対応に適切なアドバイスをプラスすることで不満や不信感を取り除きましょう。
村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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