薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2015.01.14 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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医師に「MRを代えてほしい」と言われたら
医師に「MRを代えてほしい」と言われたら

大学卒業後、すぐにMRとして働き始めました。仕事にも慣れ、少し自信がついてきたところでしたが、ある医師から突然「MRの担当を別の人にしてほしい」と言われてしまいました。私自身、特に思い当たる失敗などはないのですが、どうしたらよいでしょうか。

Answer
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まずは理由を明確にすることが先決

大前提として、私は医師でもなく、MRの経験もありません。ですから、この質問には「医療人としての一般的なマナー」という大きなくくりで回答させていただきますね。
今回のケースですが、面と向かって言われたにしろ、上司を通して言われたにしろ、なにを置いてもまずは医師に理由をお伺いすることが先決です。質問者さん本人に思い当たるふしがなくても、必ず「何か」があったのです。何もないのに担当を代えるよう言われることはまずありません。ご存知の通り、医師のもとには各製薬メーカーのMRが競うようにして訪れています。新薬も次々に開発されており、よほど特殊な薬でなければ代替品はいくらでもあります。つまり、気に入らなければ他社の製品を使えばいいだけであり、担当者を変えてまでそのメーカーの製品を使う必要はないのです。にもかかわらず担当者交代の依頼があったということは、やはりそれなりの理由があると考えられます。

本当に「思い当たる失敗はない」と言い切れますか?

ここで気になるのは、質問者さんが「思い当たる失敗はない」と言い切っていることです。人は、どんなに完璧を目指していてもどこかで至らない部分があり、本人が自覚していないミスや不足を、周囲の人がさりげなくフォローしてくれているもの。「周りの人に助けられている」という感謝の気持ちや、医師に対して「気づかないところで不快な思いをさせてしまったのかもしれない」と考える謙虚さが、少し足りないのではないかとも思えます。
とにかく、まずは医師に理由をお伺いし、しかるべき理由があったならその点をお詫びして、担当を続けさせてもらえるようお願いしてみましょう。かたくなに担当を代えるよう言われたときは、ある程度で気持ちを切り替えることも大切です。MRは大変な仕事。特に今回の質問に限らず、いまもって男性が多い職場では、女性というだけでも気苦労は絶えないことでしょう。しかし、失敗や悔しい思いを糧にして人は成長するものです。頑張ってくださいね。

医師に理由の確認を。自分の行動を振り返る謙虚さと、周囲の人への感謝も忘れずに!
医師に理由の確認を。自分の行動を振り返る謙虚さと、周囲の人への感謝も忘れずに!

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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