接遇マナー・テクニック 接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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患者さんの「質問責め」に困っている
患者さんの「質問責め」に困っている
自分が飲んでいる薬のことをよく知りたいと、薬局カウンターで質問責めにしてくる患者さんがいます。この方、薬局に来るたびにあれこれと質問しまくり、正直、精神的にぐったりします。よい切り上げ方はないでしょうか。

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理解されていないなら説明したことにはならない
薬局の仕事は時間との戦い。次々に仕事を進めていかなければ全体がまわっていきませんし、混んでいるときはお待ちいただいているほかの患者さんたちの手前、早く切り上げたいとやきもきする気持ちはよくわかります。しかし、そういった状況を踏まえたうえであえて厳しいことを言わせていただくと、やはり「患者さんからの質問には誠意をもって対応する」。これは薬剤師として当然やるべき仕事です。「精神的にぐったり」という言葉からも質問者さんがうんざりしている様子がうかがえますが、ここはひとつ気持ちを切り替えてほしいと思います。患者さんから積極的に話をしてくれるというのは、信頼されている証拠。まずはコミュニケーションを図ろうとしてもらえることに感謝しましょう。そのうえで、「手早い切り上げ方」を考えるのではなく、どうすれば患者さんに納得してもらえるか、質問をしなくても済むようになるのかを考えてみてください。
まず、同じことを聞かれているのは、患者さんが説明を理解できていないか、あるいは納得できていないからだと予想ができます。何度説明しても、患者さんが理解できていなければ説明したことにはなりません。患者さんが理解できるまで、根気強く説明する必要があります。そのためには、説明しているときの患者さんのリアクションや表情をしっかりチェックし、理解できていないようなら具体例を挙げたり、言葉の言いまわしを変えてみましょう。説明する際は難しい専門用語を使わないことはもちろん、簡潔にポイントを絞ること。そうすることで話が理解しやすくなりますし、時間の短縮にもなります。患者さんをお呼びする前に薬歴をしっかりチェックし、前回どういうやり取りがあったか予備知識を入れておくと、同じやり取りになるのを防ぐことができるかもしれません。

言葉の裏に隠された本音を読み取れてこそプロフェッショナル
一方、頻繁に来られる患者さんがあまりに何度も同じ質問をしてくる場合は、「実は別に話したいことがある」という可能性があります。これは見極めが難しいのですが、人は、本当に話したいことがあっても、それをなかなか言い出せずにいることがあります。薬を飲み続けていて、ドクターにも言えないような症状が出てきた、あるいは自分ではなく家族が飲んでいる薬について疑問がある。そういった「本当に聞きたいこと」が実は隠れていることが意外とあるものなのです。その際は「お薬を飲み続けて気になることはありませんか?」、「ほかのお薬やサプリメントで聞きたいことはないですか?」といった「ほかの話題もウエルカムですよ」という雰囲気を出してみるといいかもしれません。
いずれにしても、「何度も質問されてぐったり」ではなく、「今度こそ、質問することがなくなるぐらい完璧に理解してもらおう!」という前向きな気持ちで患者さんと向き合ってほしいと思います。

何度も質問されるのは自身の力量不足と心得て、さまざまな可能性を考慮しながら理解してもらえるよう努めましょう。
何度も質問されるのは自身の力量不足と心得て、さまざまな可能性を考慮しながら理解してもらえるよう努めましょう。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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