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困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

薬を飲んでいないことを隠す患者さん
薬を飲んでいないことを隠す患者さん
定期的に薬局に来る患者さん、診察を受けて処方せんは持ってくるのですが、全然血液検査の数値も良くなっていないようです。薬についていつ飲んでいるか、残薬の量などを聞いてもいつも言葉を濁され、どうも薬をほとんど飲んでいないのではないかと気がつきました。失礼にならずしっかり飲んでもらうにはどうしたらいいでしょうか。

Answer
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患者さんを責めない・非難しない
薬を飲んでいないようだと気づくことができたので、この機会を逃さずに適切な指導をしたいですね。相談の患者さんの気持ちを想像すると、薬を飲んでいない状態が長く続いて今更言いだせない、医師には飲んでいると思わせたい、など何かしら本当のことを言いたくない理由がありそうです。
 
ここで大切なのは、患者さんが意識的に隠したり嘘をついていたりしたとしても、その点を決して責めないこと。精神的な病態により無意識に隠している場合も考えられますが、責めない・叱らないという対応は同じです。無意識のうちに患者さんを非難するような表情や口調・言葉じりにならないよう十分注意しましょう。
患者さんを認める対話の積み重ねが気持ちを動かす
医師の手前、薬だけはもらっている、ということかもしれませんが、飲んでいない薬をもらいに定期的に来局されるということは、少なくとも治療の意欲がゼロというわけでもなさそうです。ここで「薬はちゃんと飲んでください」と言うだけでは、薬物治療を再開しようと気持ちを新たにするにはインパクトが弱いので、患者さんが「やっぱり飲んでみようかな」と思うきっかけが欲しいですね。
 
患者さんの心を動かしたかったら、急がず焦らず、信頼関係づくりから始めましょう。信じてもいない人から何を言われようが、痛くもかゆくもないものですが、信頼している相手から親身になって声をかけられると、この人の言うとおりにしてみようかな、と思うもの。
 
たとえば、患者さんの生活習慣について丁寧にヒヤリングしてみましょう。
このとき、飲酒や喫煙など望ましくない習慣があっても、決して否定しないのがポイント。「お酒を飲むのが好きなんですね」「タバコを吸われるんですね」と一つずつ認めていきます。

「お酒はだめですよ」などと注意したり叱ったりしてしまっては「また説教か、やってられないよ」と思ってしまい、話を聞く気にもなりません。
しかし、「お友達と飲むお酒はおいしいですよね」などと受け入れる言葉を返すと「この人は自分の話を聞いてくれる」「ちゃんと分かってくれた」と安心して、もっと話をしたいと思うようになります。
 
どんな話題でも対話を積み重ねていくことで、「この薬剤師さんの言うとおりにしてみよう」と前向きな考え方に変わるきっかけになるのです。患者さんが自ら積極的に薬物治療に取り組めるよう、長い目で見てサポートを続けましょう。

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責めたり叱ったりせず、患者さんが前向きになれるよう、話を受けとめ対話を重ねていきましょう。
責めたり叱ったりせず、患者さんが前向きになれるよう、話を受けとめ対話を重ねていきましょう。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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