薬剤師の接遇マナー・テクニック 公開日:2014.08.13更新日:2023.03.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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待ち時間が長引いてしまったときの謝り方
待ち時間が長引いてしまったときの謝り方

私が勤める薬局は薬剤師が少なく、患者さんをお待たせすることが多いです。それを不満に思っている患者さんもいて、「いつも時間がかかるわね」とイヤミのようなことを言われることもあります。そんなときは「申し訳ありません」と謝罪するのですが、毎回それでは気持ちが伝わらない気がしています。「申し訳ありません」のほかに、いい言葉はないでしょうか。

Answer
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待ち時間と状況を告げることで、患者さんの気持ちは変わる

病院や薬局の待ち時間は、古くて新しい永遠の課題ですね。どんなに急いで作業をしても、混んでくれば必ず待ち時間はできてしまいます。とはいえ、「こんなに急いでやっているのに」、「ある程度は仕方がない」と思うのはNG。お待たせしているのは事実ですから、申し訳ないという気持ちで接する必要があります。
この患者さんの場合、「いつも時間がかかる」と思っているにも関わらず、ほかの薬局に変えることなく来てくださっている。ありがたいですね。まずは感謝する気持ちを忘れないようにしましょう。
待ち時間対策のポイントは、不満を感じさせてから謝罪するのではなく、できるだけ不満や不愉快な気持ちにさせないようにすること。どれくらいかかるかわからないまま、ただ待たされるという状況が人を不安にさせ、不満や怒りを増長させます。たとえば、あらかじめ待ち時間が長くかかることを伝えておくという方法も有効です。その際、「○分ぐらいかかります」ではなく、「○分ぐらいかかりますが、よろしいでしょうか?」あるいは、「お待ちいただけますか?」と、質問やお願いするかたちで伝えるのがコツです。質問や提案として確認されれば、待つかどうかを患者さん自身が選択したことになります。人間は選択できる立場=優位に立つことで不満がわきにくくなります。
また、あらかじめ「○分ぐらいかかる」ということがわかれば、その間に買い物や用事を済ませることもできます。家や職場が近いなら、「後から取りに来る」という選択肢があることを提案してもいいでしょう。要は、待ち時間を有効利用して気持ち良く待ってもらうためにはどうすればいいかを考える。これも一つの思いやりですね。

「申し訳ございません」だけでは、さらに大きなクレームになる可能性も

患者さんからのクレーム時に気をつけたいのが、「申し訳ございません」を繰り返すだけでは不十分だということ。何に対して謝罪しているのかをはっきりさせないと、「(謝罪の)態度が良くない」とさらに大きなクレームになる可能性があります。「待たせたことについて不満に思っているのを十分理解している。とても申し訳なく思っている」という気持ちを伝えるためにも、謝罪の言葉は「お待たせしてしまい、申し訳ございません」がベストです。加えて「できるだけお待たせしないように努力しておりますが、今後お急ぎの際はあらかじめお声掛けください」や「(処方せんの有効期間を伝え)○曜日のこの時間はとても混むのですが、比較的空いている○曜日もご利用ください」など、将来的な提案ができればなおいいですね。心底申し訳なく思っていて、なんとか改善しようとしているという意志が伝わります。
謝罪の言葉は具体的に! 待ち時間を有効利用してもらうための方法を提案する
謝罪の言葉は具体的に! 待ち時間を有効利用してもらうための方法を提案する

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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