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困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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疑義照会する際の注意点
疑義照会する際の注意点
患者さんから処方せんをお預かりして内容を確認したところ、用量のことで少し疑問に感じる点がありました。そこで「用量が違うと思います」と医師に電話をかけたのですが、強い口調で怒られ電話を切られてしまいました。今後、この医師に疑義照会をするのが怖いです。

Answer
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疑義照会は簡潔にわかりやすく、丁寧な言葉遣いを心がける
このケースは、2通りの考え方ができると思います。
まず一つ。この質問の文面通りに受け答えをしたのであれば、「用量が違うと思います」という言い方に、問題があったのではないでしょうか。誰でも真正面から否定されると、思わずムッとしてしまうものです。もしかすると、医師はちゃんと指示をしたのに、事務の人が入力ミスをしたのかもしれません。にもかかわらず、「用量が違う」と指摘されれば、おもしろくないでしょう。
医師が上、薬剤師が下という立場の問題ではなく、コミュニケーションを円滑にするための社会人マナーとして、「同じお薬で前回は1日3回だったのですが、今回は1日2回に変更ということでよろしいでしょうか?」のように、間違っていると決めつけずに、処方せんの内容を確認する形で会話をすべきです。
もちろん、医師が電話に出たときは、「お忙しいところ申し訳ありません」と感謝の意を述べることを忘れずに。また、丁寧なのはいいのですが、あまりにも回りくどくだらだらと話をするのもNGです。診察中の医師は忙しいので、簡潔にわかりやすく伝えられるよう、電話をかける前に要点を整理しておきましょう。
「たまたま機嫌が悪かっただけ」と思えるプラス思考も必要
もう一つの可能性として考えたいのは、医師も人間だということです。診察が立て込んで、かなりバタバタしているところに、看護師さんが電話を取り次いでくれた。あるいは朝、家庭で親子喧嘩をしてしまったのかもしれません。「プロなんだから仕事とプライベートは切り離すべき」と口で言うのは簡単です。しかし人間である以上、体調や気持ちが、仕事現場でも顔や口調に思わず出てしまったということは、誰でも経験があるはずです。
ですから、1度や2度の疑義照会で対応が冷たかったからといって、落ち込むことはありません。「自分が疑義照会したせいで怒らせてしまった」と考えるのではなく、少し柔軟性をもたせて「病院が混んでいるのかな」、「今日はたまたま機嫌が悪いのかな」と考えてみることも時には必要です。
もちろん、なんでもかんでも「私のせいじゃない」と流してしまうのも問題ですが、1、2回対応が怖かったからといって、「この先生は怖いから疑義照会はしたくない」と委縮してしまうようでは、薬剤師としてちょっと頼りないですね。
また、あるアンケート調査では、「よく疑義照会や質問をしてくる薬局はむしろ信頼できる」と答えた医師の数は、89.1%にも上ったそうです。疑義照会は薬剤師の大切な仕事。患者さんの命や健康問題を預かる立場として、万が一のミスを防ぐためにも、自信を持って行ってください。
言い方一つで印象は大きく変わる。クッション言葉を上手に使って、スムーズな疑義照会を!
言い方一つで印象は大きく変わる。クッション言葉を上手に使って、スムーズな疑義照会を!

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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