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困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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疑義照会を嫌がる患者さん
疑義照会を嫌がる患者さんがいます。以前疑義照会をしたとき、かなりお待たせしたようで、いくら説明しても「必要ない」の一点張り。しまいには「別の薬局に行くから処方せんを返せ」と大声を出して、薬局を出ていかれました。このような患者さんには、どのように対応したらよいでしょうか。

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疑義照会は患者さんのために行うもの。それをしっかり伝える
疑義照会を嫌がる患者さんは多いもの。今回の質問のようなケースは、薬局以外でもよくあることではないでしょうか。疑義照会を例えて言うなら、買い物に行って商品をレジに持って行ったとき、「値札が付いていないので調べます。お待ちください」と言われているようなものですね。そう考えると、疑義照会を快く思わない患者さんの気持ちが少しはイメージできるのではないでしょうか。
今回のケースでは、疑義照会を嫌がるのは「以前に長時間待たされたことがある」から。理由がはっきりしているため、対策も立てやすいと思います。まずは言い方に注意しながら、何のために疑義照会する必要があるのかをしっかり伝えます。「疑義照会することで患者さんにどんなメリットがあるのか」をわかりやすく説明することもポイントです。そうすれば患者さんも、自分のために必要な作業をするんだなと納得しやすくなります。間違っても、詳しい説明もなく事務的に「お医者さんに確認してからでないと薬をお渡しできない決まりなので」などとは言わないように、注意しましょう。疑義照会は万が一の事故を防いで患者さんを守るために行うもの。それをきちんと伝えましょう。
加えて、今回のケースで大切なのが「どれくらい時間がかかるか」をあらかじめ伝えておくことです。普段からやり取りがある医療機関なら、疑義照会でどれくらい時間がかかるのか、おおかた予想がつくはずです。長くかかるようならその旨を伝え、用事や食事を先に済ませてもらったり、状況によっては後で薬をお届けする、あるいは取りに来てもらうといった提案をしてみます。この連載で何度もお伝えしていますが、人はどれくらい時間がかかるかわからない状態で待たされることに不安を感じるからです。
疑義照会は薬剤師としての職能が発揮される場
患者さんが疑義照会を嫌がる理由はさまざまです。中には疑義照会をする=お医者さんを疑っているように思われるのが嫌という人、あるいは以前に疑義照会をした際、調剤料や指導料等の加算の兼ね合いで薬代が上がってしまったという人もいるかもしれません。理由をしっかり見極め、それぞれのケースに合った対策が必要です。
いずれにしても、疑義照会をすれば多かれ少なかれ患者さんをお待たせしてしまうことには変わりがありません。しかし、疑義照会こそ薬剤師としての職能を発揮できるチャンスだと私は思います。「また嫌がられてしまう」と後ろ向きになるのではなく、薬剤師としての自信と誇りを持ち、堂々と疑義照会を行ってください。
嫌がられるのは当然のこと。疑義照会が必要な理由をしっかり伝え、理解いただくように努力しましょう
嫌がられるのは当然のこと。疑義照会が必要な理由をしっかり伝え、理解いただくように努力しましょう

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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