聞きたい!薬局実務裏ワザ 聞きたい!薬局実務裏ワザ

第71回 藤本 和子先生

2011年の東日本大震災以降、災害医療の現場は支援する側・支援される側ともに大きく変化してきました。今回は、日本災害医療薬剤師学会の理事を務め、災害医療支援薬剤師の養成に尽力している藤本和子先生に再度ご登場いただきます。
現在の災害医療現場の仕組みや体制、今後災害医療に携わることを希望する薬剤師が活躍するための方法などについてうかがいました。
原稿/高垣育(薬剤師・ライター)

Q
今後災害が起きたとき、患者さんや医療スタッフの役に立てるよう、常日頃から災害医療について学ぶ機会を持ちたいです。どのような研修やプログラムがあるのでしょうか?
多くの災害医療の情報から興味のあるプログラムで知識を身につけよう
多くの災害医療の情報から興味のあるプログラムで知識を身につけよう
多様な災害医療を学ぶために役立つプログラム、研修

 

災害の発生時、平時に身につけておいた知識と技術は、自分自身と周囲の人たちのために使うことができます。災害医療の知識と技術を身につけるための研修には、どのようなものがあるのかご紹介しましょう。

 
災害医療認定薬剤師研修会 PhDLS

一般社団法人日本集団災害医学会が主催する、災害医療認定薬剤師の認定を受けるための研修会です。
日本の災害時における救援体制のことやトリアージ、災害現場での情報収集の仕方の実技などを実施します。
詳細:http://square.umin.ac.jp/jadm/
(上記トップページの「C o n t e n t s」>「災害医療認定薬剤師研修会 PhDLS」から研修会詳細を参照することができます)

 
災害医療支援薬剤師研修会

日本災害医療薬剤師学会が主催する、災害医療支援薬剤師の登録をするための研修会です。
上記のPhDLSより高度な知識・技能を学びます。
詳細:http://www.saigai-pharma.jp/
(※研修会への参加者募集が開始されると、新しいリンクが設置されます)

 
多数傷病者への対応標準化トレーニングコース

一般社団法人日本集団災害医学会が主催する1日完結型の研修です。
多数の傷病者が発生した現場における対応法を座学、机上シミュレーション、実技訓練を通して学びます。
詳細:「多数傷病者への対応標準化トレーニングコース」~Mass Casualty Life Support (MCLS)について~
http://square.umin.ac.jp/jadm/mcls/mcls_top.html

 
PFA研修会

PFA JAPAN主催の研修会です。PFAとは、「心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:Psychological First Aid)」の略称。
救援者は災害現場で被災者にどのように声をかけたらいいのか、どのような点に気をつけて接すればよいのかを学ぶための研修会です。救援者の言葉や態度によって、被災者を現状以上に傷つけないよう配慮しながら、回復の手助けをするための方法を学びます。
詳細:PFA JAPAN http://pfa-jp.org/?page_id=28

 

無料で閲覧できる災害医療に役立つウェブサイト

 

ここでは災害医療に役立つウェブサイトをご紹介します。いずれも無料で資料を閲覧、ダウンロードが可能です。

 
東京都福祉保健局「薬局における事業継続計画(BCP)」

『災害時の薬局業務運営の手引き ~薬局BCP・地域連携の指針~』や『災害時における薬剤師班活動マニュアル』などを無償でダウンロードすることができます。
被災した薬局にはできるだけ早く復旧し、通常業務を開始すること、地域の医療救護活動に参加することが求められます。
BCPでは薬局がこれら2つの役割を果たすための指針が示され、班活動マニュアルでは、第68回でお話ししたような、薬剤師が被災地で救援活動に携わる際の業務手順などが示されています。
URL:東京都福祉保健局『災害時の薬局業務運営の手引き ~薬局BCP・地域連携の指針~』
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kyuukyuu/saigai/yakkyokubcp.html
東京都福祉保健局『災害時における薬剤師班活動マニュアル』
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kyuukyuu/saigai/yakuzaishihan-manual.html

 
スフィア・ハンドブック

人道憲章に基づき、生命を守るために主要な分野において最低限守られるべき指標を定めた本です。国際協力NGOセンター(JANIC)が無償で提供しています。
被災地での救援活動は、被災した人々の人権を守ったうえで行うことが必要です。ハンドブックでは、その場合に必要な環境の整え方(災害地における給水・衛生・衛生促進・食糧の確保など)、方針などについて記載されています。
URL: 国際協力NGOセンター(JANIC)
http://www.janic.org/
国際協力NGOセンター(JANIC)「スフィア・プロジェクト (The Sphere Project)」とは」
http://www.janic.org/activ/earthquake/drr/sphere/

 

ふだんから有事に備えて学び、身につけた知識や技術はきっといざというときに役立ちます。興味のある研修やプログラムがあったら、この機会にぜひ受講や自習をしてみてください。薬剤師としても大きなスキルアップの第一歩になると思います。

 

藤本和子先生プロフィール
藤本 和子先生プロフィール
共立薬科大学薬学部卒、薬学博士。共立薬科大学薬理学講座助手、生体内物質の微量測定を中心に脳内物質の研究に従事。2005年より薬剤師卒後教育の生涯学習センター専任教員、2009年より慶應義塾大学薬学部生涯学習センター助教に就任し、既卒薬剤師に必要な学習提供の場を推進。現在は同大学医療薬学・社会連携センター社会薬学部門に所属している。また、災害医療支援薬剤師の養成、およびSportsPharmacist活動を行っている。

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