聞きたい!薬局実務裏ワザ 聞きたい!薬局実務裏ワザ

第63回 阿部翔太 先生

日々の発注業務、月末の在庫調整、年に数回の棚卸しなどの医薬品の在庫管理。
不足薬がないように調整すると在庫金額がふくらんで本社から注意を受けてしまったり、逆に在庫を絞ったら不足薬が出て、患者さんに迷惑をかけてしまったり……。誰もが一度はこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。
不足にも過剰にもなり過ぎない医薬品の在庫の調整はどのように行えばいいのでしょうか。
今回は、医薬品在庫管理のコツについて阿部翔太先生にお話をうかがいました。
原稿/高垣育(薬剤師・ライター)

Q
月末や棚卸しのときに在庫量や在庫金額の調整で慌てないようにするために、日々の業務でできることはありますか。
1週間の収支の確認から挑戦を。積み重ねが大切!
1週間の収支の確認から挑戦を。積み重ねが大切!
まずは1週間単位で薬の出入りを確認

 
初めから棚卸し単位での調整に挑戦するのは大変です。まずは1週間の「医薬品の流れ」をみることから始めてみましょう。
用意するものは

  • ・1週間で各医薬品が調剤された量を示すレポート

  • ・1週間分の卸からの伝票

の2点です。
 
週次レポートは、多くのレセコンで出力できるはずです。卸からの伝票は、全ての金額を足しましょう。このときも在庫管理担当のメンバーだけではなく、事務スタッフなど薬局のメンバー全員を巻き込んで作業をすると、スムーズに進みます。
2つの書類の準備が整ったら、レポートに記載された「調剤された医薬品の合計金額」と伝票の「購入した医薬品の合計金額」を比較します。
 
金額が「調剤された医薬品の金額≧購入した医薬品の金額」の場合は、収支のバランスがよいといえます。反対に「調剤された医薬品の金額≦購入した医薬品の金額」となった場合は要注意です。この1週間で在庫が膨らんでいることになるからです。同じペースで医薬品を買い続けてしまうと、在庫がどんどん増えていくことになります。
 

レポートと伝票を突き合わせ、在庫管理の感覚を身につけよう

 
1週間の収支を大まかに把握したら、次のステップに進みましょう。
その週に「購入した医薬品の金額」の方が「調剤した医薬品の金額」より多かった場合。次週以降は購入する医薬品の量を絞ります。調剤量は薬局側では調整することができませんが、卸から医薬品を購入する量は自分の判断で調整することができるからです。
 
多くの薬局では、前月末に絞っていた医薬品を次月の初めに大量購入されているのではないでしょうか。そうした場合、その月の第1週目は「調剤された医薬品の金額≦購入した医薬品の金額」となる傾向がみられると思いますが、心配いりません。月単位で収支の帳尻が合うように調整していきましょう。
 
週次レポートと購入金額の合計を突き合わせる作業を続けていくうちに「医薬品Aは1000錠購入してもあまり金額に響かないな」とか「医薬品Bは100錠しか購入していないのに数万円もするんだ」といったことに気づくようになります。
こうした気づきが積み重なって、適正な在庫管理をするためのスキルとして身についていきます。それが医薬品を発注するときの「この薬は高いし、今月中は発注しなくて間に合いそうだから発注を来月に回そう」といった判断材料となるのです。
 

阿部翔太先生プロフィール
阿部 翔太先生プロフィール
株式会社ピークウェル代表取締役。薬剤師。
薬局を3店舗経営するほか、不動医薬品販売サイト「エコ薬」の運営などを手がける。
エコ薬: https://ecoyaku.com/

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