聞きたい!薬局実務裏ワザ 聞きたい!薬局実務裏ワザ

第35回 長谷川聰 先生

4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎え、日本は2035年には3人に1人が高齢者になると推計されています。こうした社会背景を受け、問題となっているのが高齢者を受け入れる医療施設不足。これを解消するために今後ますます在宅医療の必要性が増してくると考えられます。
そこで今回は、湘南の地で栄養サポートチーム(NST)専門薬剤師として在宅医療チームに参加し、薬と栄養の面から在宅患者さんをサポートしている長谷川聰先生にお話をうかがいました。

Q
患者さんが抱えている疾患によっても栄養指導の内容や方法は異なると思います。外来調剤では疾患に対する栄養指導をどのように行うべきか、コツがあれば教えてください。
患者さんが抱えている疾患によっても栄養指導の内容や方法は異なると思います。外来調剤では疾患に対する栄養指導をどのように行うべきか、コツがあれば教えてください。
すぐに実践してみたくなるような、簡単で具体的なアドバイスを!

 

脱水症状予防のための「経口補水液の作り方」をシールに

 
夏場に限らず、下痢・嘔吐や発熱によっても陥ることのある脱水症状。予防のために、季節に関わりなく注意が必要な症状です。
 
脱水症状が疑われたときに素早く水分と電解質を補給し、症状を緩和させることを可能にするのが経口補水液です。家庭にあるもので作ることができるので、作り方を投薬中に説明することがありますが、口頭で説明しただけでは、患者さんはなかなか覚えられませんし、実践に結びつけるのは難しいようです。
 
そこで、当薬局では経口補水液の作り方を記載した小さなシールを説明時にお渡しするようにしています(水1Lに対して砂糖40g、塩3g)。シールタイプにしておくと、お薬手帳などに貼ってすぐに活用していただけるのでおすすめです。もちろん、リーフレットタイプでもいいと思います。
 
コップベースで「1回分を作ってすぐに飲みたい」という患者さんには、水200mLに対して砂糖8g(角砂糖1個=砂糖3.5gなので、2~2.5個分)、塩0.6g(割りばしの太い方を塩にくぐらせて、側面に乗ったくらいの量)を混ぜて飲むようにお話しています。常温で少量ずつ、ゆっくり飲むようにすることがポイントです。
 
高血圧、糖尿病、腎臓病などの持病がある患者さんに対して、経口補水液の摂取を勧めていいのか迷う方がいるかもしれませんが、生命を脅かす危険のある症状緩和のために経口補水液を飲むことが患者さんに与えるリスクとベネフィットを鑑みると、必要に応じて飲むことは構わないと考えます。
糖尿病の患者さんが低血糖に陥ったときにブドウ糖を10g経口摂取することを思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。ただし、普段から漫然と経口補水液を飲用することは避けるようにと、忘れずに伝えるようにしています。
 

疾患の特徴をとらえ、それに即したアドバイスを

 
次に、年間を通して来局されることの多い呼吸器疾患の患者さんへの栄養指導についてご紹介します。
喘息やCOPDなど呼吸器系疾患の患者さんは、健常な人よりも呼吸のために多くのエネルギーを必要とします。しかも、息苦しさを感じていると十分に食事を摂取できない可能性もありますから、効率よくエネルギーを生み出す食事内容が求められます。
 
そこでおすすめなのが、呼吸商が低く、効率よくエネルギーを作りだしてくれるバター、オリーブ油、ごま油などの食品を取り入れた食事です。呼吸商は人が食物を摂取し、その栄養素をエネルギーに変えるときに消費される酸素量を「1」とし、その際に排出される二酸化炭素量を示したものです。また、熱量でいうと、三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)のうち、糖質とたんぱく質は1gあたり4kcalしか熱量を産生できないのに対し、脂質は1gあたり9kcalの熱量を産生することができます。
 
呼吸器疾患がある患者さんは二酸化炭素を吐き出しづらくなっています。そこで、呼吸商の低い食べ物を上手に取り入れて肺の働きを軽減させ、かつ、効率よくエネルギーを生み出せる脂質を用いた食事を勧めると良いのです。たとえば、ごま油で香ばしく風味をつけたメニューやマヨネーズ和えなどは、最近の呼吸器疾患を有する高齢の患者さんに好評です。
こうして、その患者さんが有する疾患の特徴を知り、不足しがちな栄養は何なのかを考察すると、いいアドバイスができるようになると思います。
 

すぐに実践してみたくなるような、簡単で具体的なアドバイスを!

 

脱水症状予防のための「経口補水液の作り方」をシールに

 
夏場に限らず、下痢・嘔吐や発熱によっても陥ることのある脱水症状。予防のために、季節に関わりなく注意が必要な症状です。
 
脱水症状が疑われたときに素早く水分と電解質を補給し、症状を緩和させることを可能にするのが経口補水液です。家庭にあるもので作ることができるので、作り方を投薬中に説明することがありますが、口頭で説明しただけでは、患者さんはなかなか覚えられませんし、実践に結びつけるのは難しいようです。
 
そこで、当薬局では経口補水液の作り方を記載した小さなシールを説明時にお渡しするようにしています(水1Lに対して砂糖40g、塩3g)。シールタイプにしておくと、お薬手帳などに貼ってすぐに活用していただけるのでおすすめです。もちろん、リーフレットタイプでもいいと思います。
 
コップベースで「1回分を作ってすぐに飲みたい」という患者さんには、水200mLに対して砂糖8g(角砂糖1個=砂糖3.5gなので、2~2.5個分)、塩0.6g(割りばしの太い方を塩にくぐらせて、側面に乗ったくらいの量)を混ぜて飲むようにお話しています。常温で少量ずつ、ゆっくり飲むようにすることがポイントです。
 
高血圧、糖尿病、腎臓病などの持病がある患者さんに対して、経口補水液の摂取を勧めていいのか迷う方がいるかもしれませんが、生命を脅かす危険のある症状緩和のために経口補水液を飲むことが患者さんに与えるリスクとベネフィットを鑑みると、必要に応じて飲むことは構わないと考えます。
糖尿病の患者さんが低血糖に陥ったときにブドウ糖を10g経口摂取することを思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。ただし、普段から漫然と経口補水液を飲用することは避けるようにと、忘れずに伝えるようにしています。
 

疾患の特徴をとらえ、それに即したアドバイスを

 
次に、年間を通して来局されることの多い呼吸器疾患の患者さんへの栄養指導についてご紹介します。
喘息やCOPDなど呼吸器系疾患の患者さんは、健常な人よりも呼吸のために多くのエネルギーを必要とします。しかも、息苦しさを感じていると十分に食事を摂取できない可能性もありますから、効率よくエネルギーを生み出す食事内容が求められます。
 
そこでおすすめなのが、呼吸商が低く、効率よくエネルギーを作りだしてくれるバター、オリーブ油、ごま油などの食品を取り入れた食事です。呼吸商は人が食物を摂取し、その栄養素をエネルギーに変えるときに消費される酸素量を「1」とし、その際に排出される二酸化炭素量を示したものです。また、熱量でいうと、三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)のうち、糖質とたんぱく質は1gあたり4kcalしか熱量を産生できないのに対し、脂質は1gあたり9kcalの熱量を産生することができます。
 
呼吸器疾患がある患者さんは二酸化炭素を吐き出しづらくなっています。そこで、呼吸商の低い食べ物を上手に取り入れて肺の働きを軽減させ、かつ、効率よくエネルギーを生み出せる脂質を用いた食事を勧めると良いのです。たとえば、ごま油で香ばしく風味をつけたメニューやマヨネーズ和えなどは、最近の呼吸器疾患を有する高齢の患者さんに好評です。
こうして、その患者さんが有する疾患の特徴を知り、不足しがちな栄養は何なのかを考察すると、いいアドバイスができるようになると思います。
 

長谷川聰先生プロフィール
長谷川聰先生プロフィール
タカノ薬局湘南秋谷管理薬剤師。栄養サポートチーム(NST)専門薬剤師。湘南の地にて、地域に根ざした医療を提供。栄養サポートの知識を活かして、在宅療養中の患者さんたちの日常を見守っている。
 

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