医療費

17年度概算医療費、42.2兆円と過去最高更新‐高齢化と医療の高度化が影響

薬+読 編集部からのコメント

2017年度の調剤医療費は7兆6664億円(技術料1兆9122億円、薬剤料5兆7413億円)でした。そのうち後発品薬剤料は1兆円に達し、シェア7割を突破。
なお、後発品割合が最も高かったのは、岩手県九戸郡軽米町で92.3%でした。

調剤医療費7.6兆円超え‐技術料は1.9兆円と続伸

 

厚生労働省が発表した2017年度の医療保険と公的負担医療分を合わせた概算医療費は、42兆2000億円と過去最高を更新した。14年ぶりに減少に転じた前年度から約9000億円増え、伸び率では2.3%増となった。高齢化と医療の高度化が影響する最近の傾向と同程度の伸び率に戻った格好となった。調剤医療費(電算処理分)は前年度比3.1%増の7兆6664億円となり、そのうち技術料は1兆9122億円、薬剤料は5兆7413億円となった。特に薬剤料のうち後発品薬剤料が1兆円に達し、昨年度の後発品の数量シェアも70.2%と7割を突破した。

 

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概算医療費の内訳を見ると、入院が2.6%増の17兆円、入院外+調剤が2.1%増の22兆1000億円となった。医療費の伸び率は2.3%増となり、厚労省は「全体的に最近の傾向と同程度に戻った」としている。

 

その中で、特に最近数年は1%台で推移していた入院の伸び率が2.6%と高めの傾向が見られている。入院の受診延べ日数の伸び率が0.5%増と7年ぶりに増加に転じたことが影響しており、急性期病床の入院患者は減少する一方、高齢化により入院日数の長い療養病床などの患者数が増加していることが要因と見られる。

 

一方、調剤医療費を電算処理分で見ると、3.1%増の7兆6664億円となった。C型肝炎治療薬の影響がなかった13年度と比べて伸びは低くなっているが、後発品の使用促進などにより、1種類1日当たり薬剤料の伸びがわずかなマイナスになったことが要因と考えられている。

 

処方箋1枚当たりの調剤医療費について見ると、前年度比1.9%増の9187円、処方箋枚数は1.1%増の8億3445万枚とわずかに増加した。

 

調剤医療費の内訳は、薬剤料が2.9%増の5兆7413億円となり、その中で後発品薬剤料は16.9%増の1兆0092億円と、1兆円を突破した。技術料も3.4%増加し、1兆9122億円に達するなど2兆円が射程に入った。技術料のうち、調剤基本料は8.4%増の5478億円、調剤料は1.7%増の8554億円、加算料は2.0%増の1391億円となった。前年度に約16%と大幅に増えた薬学管理料は1.2%増の3699億円と微増となった。

 

薬剤料を詳しく見ると、内服薬は実数で1.9%増の4兆6712億円。後発品は16.9%増の1兆0092億円と初めて1兆円を突破した。

 

処方箋1枚当たりの技術料は2.3%増の2292円となった。処方箋1枚当たりの薬剤料は、1.8%増の6880円。そのうち、内服薬の処方箋1枚当たり薬剤料は0.8%増の5598円となった。1種類1日当たり薬剤料が16年度に9.1%減ったものの、前年度は0.4%減とマイナス分が大きく減ったことが影響した。

 

1種類1日当たり薬剤料は、C型肝炎治療薬の影響がなかった13年度の3.2%増と比べても伸びが低くなっているが、厚労省は「高額薬剤が登場せず、後発品の使用促進によって安価な薬剤が使われるようになったのではないか」と分析。これが調剤医療費の全体の伸び率に影響したとの見方を示している。

 

内服薬の薬剤料の総額を薬効分類別に見ると、循環器官用薬が9759億円と最も多く、次いで中枢神経系用薬が8147億円となった。伸び率は腫瘍用薬が10.8%と最も高く、化学療法剤がマイナス23.7%と最も低くなった。

 

C型肝炎治療薬の使用増を背景に大幅に伸びた化学療法剤は、抗ウイルス剤が引き続き前年度に比べて約740億円と大きく減らしたため、2463億円となった。伸び率も抗ウイルス剤が27.2%減と最も低かったことが影響し、23.7%減となった。

 

後発品の薬効分類別の薬剤料については、循環器官用薬が2732億円と最も高く、次いで消化器官用薬が1333億円、中枢神経系用薬が1002億円となり、伸び率も循環器官用薬が28.2%と3割近くも伸びた。

 

昨年度の数量シェアも7割超‐後発品割合、上昇傾向明らかに

 

また、後発品の割合は、昨年度末の数量ベースを新指標で見ると73.0%となった。昨年3月時点の数量ベース68.6%から伸び幅が4.4ポイント増加した。年度ごとの平均を見ると、数量ベースでは3.4%増の70.2%と7割を突破した。薬剤料ベースでは2.1%増の17.6%、後発品調剤率は69.4%と続伸した。

 

後発品割合別に保険薬局数を見たところ、今年3月時点で数量シェア65%未満の薬局は23.7%と昨年3月時点の30.7%から減少した一方、65%以上の薬局は76.3%と7割を大きく上回った。75%以上の薬局も56.8%と半数を超えるなど、着実に後発品の使用が進んでいることがうかがえた。

 

後発品割合を地域別に見ると、最も高かった市町村は、岩手県九戸郡軽米町が92.3%と9割を突破。次いで宮崎県児湯郡新富町が89.9%、岩手県久慈市が89.7%、沖縄県島尻郡与那原町が89.4%、長崎県南松浦郡上五島町が89.3%、北海道赤平市が87.5%、長崎県東彼杵郡波佐見町が87.4%、沖縄県中頭郡北中城村が87.0%、新潟県南魚沼郡湯沢町と島根県鹿足郡津和野町が86.8%と、全国10市町村が86%以上の高い水準となった。上位20市町村を見ても全て85%を上回っており、後発品割合の上昇傾向が明らかになった。

 

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出典:薬事日報

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