創薬・臨床試験

治験支援アプリを導入‐AIの音声認識技術でデータ入力ミスを減らす

薬+読 編集部からのコメント

膨大なデータの入力が求められる治験業務。
その治験業務の入力作業を軽減できる、人工知能を使ったiPhoneアプリをシミックホールディングスが導入しました。
AI(人工知能)が他の値と大きく違うデータが入力された際には音声で注意を促したり、特定のデータ入力が完了していなければ次に進めないなど、入力ミスを防ぎ業務効率化に繋げる用途です。

シミックホールディングスは、iPhoneアプリによる治験支援システムに、日本電気(NEC)の人工知能(AI)技術「NEC the WISE」の一つである音声認識技術を活用したソリューションを導入した。治験支援施設機関(SMO)での治験データ入力業務に活用する実証実験を3月から開始しており、4月からはSMO子会社「サイトサポート・インスティチュート」(SSI)で全ての治験コーディネータ(CRC)が同システムを使用する。今後、同システムの活用による業務効率化や品質向上に向けた検証を行う予定。

 

医薬品の臨床試験をめぐっては、被験者の身長や体重、服用している薬剤、検査値など大量のデータ入力業務が発生し、従来はSMOのCRCがデータをパソコンで手入力してきたため、打ち間違えや入力漏れなどの可能性があった。これらのミスを防ぐために複数のCRCや治験監督者が入力データの再確認を行う必要があり、非効率で煩雑な業務が課題となっていた。

 

今回導入した音声認識ソリューションには、音声ガイダンスが必要な情報名を挙げ、ある項目の入力が済むまで次の項目での入力業務に移動できない仕様となっているなど、データの入力ミスや漏れが起きにくい工夫が施されている。通常の数値から明らかに逸脱しているデータを入力した場合、音声によって警告することで、入力間違いを減らすことも可能だ。

 

今後シミックとNECは、入力されたデータをAIで解析することで、治験の効率化や品質向上を実現すると共に、CRCのノウハウを組み合わせ、薬剤の副作用が生じやすい、飲み忘れが起きやすいなどのパターンを検知できるなど、患者や医療者に注意喚起できる仕組みを開発する予定だ。

 

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出典:薬事日報

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