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全国の男女約5000人に“性”の実態調査‐ジェクス「セックス・サーベイ2017」から

薬+読 編集部からのコメント

ジェクス株式会社が一般社団法人日本家族計画協会の協力を得て、全国の男女5000人を超える“性”の大規模実態調査を実施し、公開された結果が話題となっています。

日本人の性交率や、性に関する悩み、性感染症についての設問があり、幅広い内容について回答されています。

天然ゴムラテックス製品に加え、ポリウレタン製品も加わり豊富な種類が揃っているコンドームや潤滑ゼリーなどは、正しい使用方法を守ることこそが、快適な性交渉を実現可能にする
天然ゴムラテックス製品に加え、ポリウレタン製品も加わり豊富な種類が揃っているコンドームや潤滑ゼリーなどは、正しい使用方法を守ることこそが、快適な性交渉を実現可能にする

 

一般的な避妊法として広く知られている「コンドーム」の使用や「ピル」の服用。これらの正しい使用方法を守ることで、より確実に避妊をすることができる。言わば、より良いセックスを実現するためには、男女が互いに協力し合いながら、避妊や性感染症予防を実行していくことが望ましいと言えよう。ジェクスでは、一般社団法人日本家族計画協会の協力を得て、全国の男女5000人を超える“性”の大規模実態調査を実施しているが、この中では避妊に関する噂・デマ・都市伝説といった、科学的根拠が乏しく漠然と言われていたことが明らかになるなど、特に若年層には避妊に関する正しい知識の普及・啓蒙がより一層重要といえる実態も示されている。

 

性交渉経験率、日本は消極的‐“性交痛”原因で満足度低下も

 

ジェクスの「ジャパン・セックスサーベイ2017」は、日本家族計画協会に依頼し、家族計画研究センター所長の北村邦夫氏の監修のもと、行われた。この大規模調査は12年度版、13年度版に引き続き3回目となるもので、全国の満20歳~69歳の男女を対象に、16年10月にインターネットで実施した(調査実施機関はクロス・マーケティング)

 

都道府県比較を行うために、47都道府県から回収順にしたがって均一にサンプルを収集。有効回答5029人を集計対象とした。さらに全国データとして解析すべく、各都道府県から回収されたサンプルを実際に都道府県の人口比率に合わせて集計し直す「ウエイトバック法」を適用している。

 

まず、日本人のセックス(性交渉)経験率を年代別に見ると、20代は男性57.0%、女性73.7%、30代は男性81.3%、女性87.2%、40代は男性93.5%、女性91.3%、50代は男性96.6%、女性98.4%、60代は男性98.3%、女性99.3%となった。なお、セックス経験者の中でも、この1年間に全くセックスしていないと回答した人は、男性で36.8%、女性で45.2%あった。

 

セックスの際の悩みに関しては、「挿入時間が短い・射精までの時間が短い」は男性35.8%、女性9.1%「挿入時間が長い・射精までの時間が長い」は男性9.1%、女性6.1%、「快感が得られない」は男性4.7%、女性13.2%、「オーガズム(男性は射精、女性は絶頂感)に達することができない」は男性4.5%、女性22.5%──など。男性では各年代の3割以上が挿入時間の短さを悩みとして挙げているのに対し、女性は1割にも達しておらず、むしろ時間よりも快感や満足感を得られないことを悩みとして挙げている。

 

一方、セックスの時に痛み(性交痛)を感じることがあるかを女性に聞いたところ、「いつも痛い」「だいたい痛い」「たまに痛いことがある」を合わせた「痛みを感じる」という人は、全女性の約67%を占めた。当然ながら、性交痛がある女性では性的満足度も低かった。さらに性交痛の際に有効な手段といえる「潤滑ゼリー」については、女性全体の8割以上が「使わない」と回答している。

 

膣内の潤い不足による性交痛は、ホルモンバランスが大きく変化する中高年期や、産後に多く見られる症状だと思われていたが、今回の調査では年齢や出産経験の有無にかかわらず、誰もが日常的に抱え得る問題であることが明らかとなった。

 

コンドームは避妊のための重要な手段だが、性感染症予防のためにも使用が強く望まれている。現在の主な避妊方法について聞いたところ(複数回答可)、「コンドーム」を挙げた人は男性60.1%、女性45.0%、「膣外射精」が男性24.3%、女性18.3%で、このほか、オギノ式避妊法(月経からの日数計算)、経口避妊薬(ピル)、基礎体温法、不妊手術、子宮内避妊具、殺精子剤、洗浄法など様々な方法が挙げられたが、「コンドーム」に次いで多かったのが「避妊はしていない」という回答で、男性では30.4%、女性では42.6%にも上っている。

 

過去に性感染症になった経験(セックス経験者が対象)は、「ない」が男性88.1%、女性87.3%で、残りは1回~複数回あるということ。男性で「1回だけ」性感染症にかかったという人は、20代4.2%、30代10.7%、40代10.0%、50代8.9%、60代6.1%、同じく女性は20代7.6%、30代10.6%、40代8.9%。50代7.1%、60代7.6%であった。「複数回ある(5回未満)」は、男性30代(4.3%)、女性20代(5.7%)、女性40代(4.7%)が特に目立っている。

 

ネットでセックスを知る時代‐重要な避妊に関する正しい知識

 

セックス(性交渉)について、初めて知った方法(媒体)も聞いている。男性全体では「友人・先輩」23.7%、「雑誌・小説」21.4%、「漫画・アニメ」9.2%、「テレビ番組」9.9%、「学校の授業」3.9%、「パソコンでのインターネット情報」4.5%などと続いた。また、女性全体では「友人・先輩」21.7%、「雑誌・小説」10.1%、「漫画・アニメ」11.2%、「テレビ番組」8.0%、「学校の授業」12.1%、「パソコンでのインターネット情報」1.2%などと続く。

 

これを年代別に見ると、年代が若いほど「インターネット情報」(パソコン、携帯端末を含む)と回答している割合が多くなる。一方、年代が上になるほど「雑誌・小説」の割合が高まる傾向であり、現代は“ネットでセックスを知る時代”になってきたことがうかがえる。社会環境の変化が「セックスを初めて知る方法」にも大きな影響を及ぼしていることが示された格好だ。

 

避妊に関する噂・デマ・都市伝説もいろいろとあるようで、最も多かったのが「コーラで膣や外性器を洗う」の323件。次いで「膣外射精(外出し)」150件、「生理中は妊娠しない」94件が多く挙がった。このほかにも「膣内を水で洗う」「射精後に逆立ちをする」「コンドームを使うと妊娠しない」「ピルを飲むと妊娠しない」「安全日は妊娠しない」「生理前後は妊娠しない」「ジャンプする」「複数の人とセックスする」「女性上位(騎乗位)で行う」といった様々な知識(噂)が、結構流布されていることが示された。

 

「コーラで膣や外性器を洗う」が第1位を占めていたが、何を根拠にこのような都市伝説が長い間、わが国を支配していたのかは不明である。また、避妊方法としてコンドームに次いで選択されている「膣外射精」についても、科学的根拠に乏しいということが浸透していないようだ。

 

今回の「ジャパン・セックスサーベイ2017」調査概要については、ジェクスの「ラブ活キャンペーンサイト」のコンテンツ「ラブ活博物館」の中に、過去調査(12年度版、13年度版)と共に掲載されている。

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出典:薬事日報

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