創薬・臨床試験

他家細胞製剤を獲得‐初の再生医療等製品

薬+読 編集部からのコメント

塩野義製薬は、ロート製薬から他家細胞製剤「ADR-001」の国内独占的権利を獲得。この薬は非代償性肝硬変患者を対象としたもので、塩野義製薬初の再生医療への挑戦となります。

塩野義製薬は、ロート製薬から非代償性肝硬変患者を対象とした他家細胞製剤「ADR-001」の国内独占的権利を獲得した。塩野義にとって初の再生医療等製品で、現在ロート製薬が第I/II相試験を実施しており、試験終了後に塩野義が開発を引き継ぎ、上市後の販売や製造販売後調査を実施する予定。

 

「ADR-001」は、ロート製薬が創製した他家脂肪組織由来間葉系幹細胞を構成成分とする細胞製剤で、新潟大学医歯学総合病院で第I/II相試験を実施中。治験を開始した2017年7月の時点では、19年の試験終了を目指していたが、想定よりも進行が遅れていることから現在ではスケジュールは未定としている。脂肪組織は組織中の多くの間葉系幹細胞を含み、採取時の侵襲性が比較的低く、入手が比較的容易であることから、治療を必要とする患者に迅速に提供されることが見込まれる。

 

塩野義は、20年以降にイノベーションを生み出す新しい技術を模索していた中で、同社初となる再生医療等製品の開発に乗り出した。肝疾患領域では、待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善を効能・効果とした血小板減少症治療剤「ムルプレタ」を販売している。

 

ロート製薬は、医療用製品の販売体制を有していないため、医療用医薬品を手がける製薬企業への導出を決めた。他家細胞製剤の研究については、心筋梗塞や肺線維症などの他の適応症で、引き続き行う方針だ。

 

契約により、塩野義製薬はロート製薬に、契約一時金、開発に応じたマイルストン、販売額に応じたロイヤリティを支払う。

 

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出典:薬事日報

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