医療機器

指導内容が自動で薬歴に保存‐次世代型の電子薬歴「Musubi」

薬+読 編集部からのコメント

2016年創業のベンチャー企業が開発した薬歴記録ツール『Musubi』(むすび)が注目されています。『Musubi』は、薬剤師は患者さんと一緒にタブレット画面を見ながら服薬指導やアドバイスができ、そのまま薬歴に記載できるそう。仕事の効率化に役立ちそうですね!

“薬剤師の声”も生かし開発


画面の情報を共有しながら患者と向き合う
画面の情報を共有しながら患者と向き合う

 

業務効率化を目指す薬局関係者にとって、カケハシ(東京中央区)が開発した次世代型の電子薬歴システム「Musubi」は、これまでにない患者との“コミュニケーションツール”としても注目されている。「Musubi」はクラウドサービスのため、従来の電子薬歴システムと比べて初期導入費用が低いのは当然として、最大のメリットと言えるのが、患者とタブレット端末画面を共有しながら“患者に沿った服薬指導と生活アドバイス”ができ、そして“指導内容をそのまま薬歴に記載できる”こと。同社の中尾豊代表取締役CEOは「これからも薬剤師の能力を最大化することを、現場と一緒に併走しながら、新しい価値を提供し続けていきたい」とする。

 


 

「Musubi」を提供するカケハシは、製薬会社のMRを通じて医療業界に関わってきた中尾氏が2016年に創業したベンチャー企業。起業するに際し、「患者の今までの薬局での医療体験を変える。患者が薬局に来た時に得する体験をするには、何が必要で、何が邪魔をしているのか。どうやったら患者に対して価値を出せる医療インフラを作れるか」を追求すべく、全国の400~500店舗の薬局を回り、徹底的なヒアリングによって現場のニーズを探した。

 

代表取締役CEOの中尾豊氏
代表取締役CEOの中尾豊氏

 

そこで確信したのが、薬剤師が服薬指導だけでなく、患者の健康意識を高める情報を提供していく。そして、それを阻害している要因(業務等も含め)があれば解決していこうーーということ。薬局では処方箋がベースのコミュニケーションであり、前回より薬が増えたり変更されないとなかなか話す材料がない。患者側の本音も、何か聞きたいことがあっても、薬剤師から聞けるとは思わずに切り出さない。本当は聞けるはずなのに、聞く気が生まれずに、「早く薬がもらえればいい」と思ってしまう。つまり、薬を渡す以外のコミュニケーションが発生しにくいということ。

 

これらの視点から開発された「Musubi」は、社名に込めた“医療と患者をつなぐカケハシ”を具現化するクラウド型電子薬歴システムで、昨年8月から販売を開始した。患者の疾患、服薬中の薬、生活習慣、季節、過去処方などを基に、生活アドバイスを自動で提案する。薬剤師は患者とタブレット端末画面を共有しながら、その患者に沿った服薬指導と生活アドバイスを説明することができる。

 

「Musubi」を使った服薬指導は、画面に表示される指導内容をタップして行う。タップされた指導内容は、自動で薬歴に保存されるので「指導をしたのに記載するのを忘れてしまった」などは起きない。そして、服薬指導中に薬歴の下書きが作成されるため、指導の終了時には薬歴のドラフトが出来上がる。それに追記することで中身の充実した薬歴が完成し、薬歴記載時間を大幅に短縮できる。その分を、より価値のある服薬指導に充てることができ、患者との信頼関係が構築しやすくなる。

 

運用時の不明点を解消するための電話相談や訪問レクチャーなど、導入後の充実したサポートも「Musubi」の特徴。導入した薬局からフィードバックを集めて、常に機能改善につなげており、年間では約120回ほどのアップデートが行われるという。開発時には約200人ほどの薬剤師のアドバイスを得たのが、今では約400人を数える。

 

こうした薬剤師の“集合知”がどんどん集まるような仕組みは、他の電子薬歴システムにはない特徴でもある。「小児科、整形外科、眼科といった専門科の処方箋を受ける薬局から、『この患者さんにはこういった話をしてます』などと教えてもらって、私共とワンポイントアドバイスを一緒に作っていける。全国の薬剤師の知見がMusubiに入ってきて、それがクラウドサービスを通じて全国に還元することになる」(中尾氏)

 

現場の薬剤師は、例えば他の薬局薬剤師の知見を参考にした上で、自分なりにアウトプットできる。中尾氏によれば「実際に“自らのブラッシュアップにも役立っている”との声も多い。Musubiを使って耳が聞こえない患者さんとの会話が可能になり、非常に喜ばれたというケースもある」という。「Musubi」は様々な薬局のフィードバックやノウハウを吸い上げ、さらに次世代へ成長していると言えよう。

 

なお、次世代電子薬歴システム「Musubi」については23~24日に金沢で開かれる第51回日本薬剤師会学術大会併設の「IT機器コーナー」に出展、紹介される予定。同システムおよびサービスの詳細については、同社ホームページ(https://kakehashi.life/)を参照。

 

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出典:薬事日報

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