創薬・臨床試験

「ハーセプチン」後続品を報告‐新薬5件の承認・一変了承

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で、新薬5件が承認されました。
承認・一部変更承認されたのは、乳癌治療剤「ベージニオ錠」(日本イーライリリー)、
有効成分のニボルマブを含有する抗癌剤「オプジーボ点滴静注」(小野薬品)ほか5件。
また、第一三共が申請した抗癌剤「ハーセプチン」のバイオ後続品「トラスツズマブBS点滴静注用『第一三共』」の承認など6件が報告されました。

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は3日、日本イーライリリーの乳癌治療剤「ベージニオ錠」など5件の承認と一部変更承認を審議し、了承した。また、第一三共が申請した抗癌剤「ハーセプチン」のバイオ後続品「トラスツズマブBS点滴静注用『第一三共』」の承認など6件の報告を受けた。

 

審議品目

ベージニオ錠50mg、同100mg、同150mg(日本イーライリリー):新有効成分のアベマシクリブを含有する乳癌治療剤で、ホルモン受容体(HR)陽性かつヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の手術不能・再発乳癌を効能・効果とする。類薬にはイブランス、アフィニトールなどがある。

用法・用量は、内分泌療法剤との併用で1回150mgを1日2回経口投与し、患者の状態に応じて適宜減量する。再審査期間は8年。海外では米国で承認されている。

 

ビーリンサイト点滴静注用35μg(アステラス・アムジェン・バイオファーマ):新有効成分のブリナツモマブ(遺伝子組み換え)を含有し、再発・難治性のB細胞性急性リンパ性白血病を効能・効果とする。用法・用量は、28日間持続点滴静注した後に14日間休薬することを1サイクルとし、最大5サイクル繰り返す。その後、投与量を体重が45kg以上の場合は1サイクル目の1~7日目は1日9μg、それ以降は1日28μgとし、45kg未満の場合は1サイクル目の1~7日目は1日5μg/m2(体表面積)、それ以降は1日15μg/m2とするが、45kg以上の場合の投与量を超えないこととし、これを28日間持続点滴静注した後、56日間休薬することを1サイクルとし、最大4サイクル繰り返す。

希少疾病用医薬品で、再審査期間は10年。海外では米国・欧州など56カ国で承認されている。

 

オデフシィ配合錠(ヤンセンファーマ):有効成分のリルピビリン塩酸酸、エムトリシタビン、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩を配合した抗HIV配合剤。用法・用量は、成人と12歳以上で体重35kg以上の小児には1日1回1錠を食事中または食直後に経口投与する。

含有する有効成分の全てが希少疾病用医薬品で、再審査期間はテノホビルを含有する「ゲンボイヤ配合錠」の残余期間である2026年6月16日まで。欧米など35以上の国・地域で承認されている。

 

オプジーボ点滴静注20mg・同100mg・同240mg(小野薬品):有効成分のニボルマブ(遺伝子組み換え)を含有する抗癌剤。240mgが新たに承認され、20mgと100mgの効能・効果である「根治切除不能な悪性黒色腫」から根治切除不能を削除し、術後補助療法にも使用できるようになった。さらに、「癌化学療法後に増悪した切除不能な進行・転移性の悪性胸膜中皮腫」の効能・効果を追加した。

用法・用量は、悪性黒色腫に対して、1回240mgを2週間間隔で点滴静注し、術後補助療法の場合は投与期間を12カ月までとした。根治切除不能または転移性の腎細胞癌に対しては、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する。化学療法未治療の根治切除不能・転移性の腎細胞癌にイピリムマブと併用する場合、1回240mgを3週間間隔で4回点滴静注した後、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する。

希少疾病用医薬品で、再審査期間はオプジーボの悪性胸膜中皮腫が10年、他の効能・効果に対してはそれぞれ残余期間まで。

 

海外では、悪性胸膜中皮腫に対するニボルマブ単独投与が承認されている国・地域はないものの、悪性黒色腫の術後補助療法に対する単独投与は2カ国で承認されている。

 

ヤーボイ点滴静注液50mg(ブリストル・マイヤーズスクイブ):有効成分のイピリムマブ(遺伝子組み換え)を含有する抗癌剤で、根治切除不能・転移性の腎細胞癌の効能・効果を追加した。

用法・用量は、ニボルマブとの併用で1回1mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。優先審査品目で再審査期間は5年10カ月。根治切除不能・転移性の腎細胞癌患者に対するニボルマブとイピリムマブの併用投与は米国で承認されている。

 

報告品目

トラスツズマブBS点滴静注用60mg「第一三共」、同150mg(第一三共):中外製薬の「ハーセプチン注射用」を先行品とするバイオ後続品で、HER2の過剰発現が確認された乳癌と治癒切除不能な進行・再発の胃癌を効能・効果とする。後続品の用法・用量は、乳癌に対して1日1回初回投与時に4mg/kg(体重)、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注するA法のみに限定されている。

再審査期間はなし。海外で承認されている国・地域はないが、17年にEUで承認勧告が行われている。

 

バリキサ錠450mg、同ドライシロップ5000mg(田辺三菱製薬):有効成分のバルガンシクロビル塩酸塩を含有する抗サイトメガロウイルス(CMV)化学療法剤で、小児向けにドライシロップを新剤形として追加すると共に、小児の用法・用量も追加した。迅速審査の対象品目で、再審査期間はなし。海外では、小児に対する固形臓器移植におけるCMVの発症抑制を効能・効果として、欧米などで承認されている。

 

トルツ皮下注80mgシリンジ、同オートインジェクター(日本イーライリリー):有効成分のイキセキズマブ(遺伝子組み換え)を含有するヒト化抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体。既存治療で効果不十分な尋常性乾癬や乾癬性紅皮症の効能・効果について、新たな用法・用量として「12週間で効果不十分な場合、1回80mgの2週間隔皮下投与を継続することができる」を追記した。

再審査期間は残余の24年7月3日まで。海外では日本を含めた54の国・地域で承認されている。

 

タグリッソ錠40mg、同80mg(アストラゼネカ):有効成分のオシメルチニブメシル酸塩を含有する抗癌剤。これまで同剤の投与前にEGFR阻害剤を使用する必要があったが、効能・効果から削除し、記載内容を「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺癌」に改めた。

優先審査品目で、再審査期間は残余の24年3月27日まで。海外では、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能・効果として、米国など2カ国で承認されている。

 

ポテリジオ点滴静注20mg(協和発酵キリン):有効成分のモガムリズマブ(遺伝子組み換え)を含有する抗癌剤。効能・効果の「再発または難治性のヒト化抗CCケモカイン受容体4(CCR4)陽性の皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)」からCCR4陽性を削除し、用法・用量からも「再発または難治性のCCR4陽性のCTCL」を削除した上で、新たに再発・難治性のCTCLを追記。1回量1mg/kgを1週間間隔で5回点滴静注し、その後は2週間間隔で点滴静注することとした。

希少疾病用医薬品で、再審査期間は残余の24年3月16日まで。

海外では、再発・難治性のCTCLに関する効能・効果で承認されている国・地域はない。

 

キザルチニブをオーファン指定

この日の部会では、第一三共の「キザルチニブ塩酸塩」を希少疾病用医薬品に指定することも了承した。

 

キザルチニブ塩酸塩(第一三共):予定される効能・効果は、FLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病。急性骨髄性白血病(AML)は、幼若骨髄系細胞の異常増殖を発現する血液腫瘍で、未治療の場合は血小板減少性の出血性合併症などが見られ、短期間で致死的となる。

国内のFLT遺伝子変異陽性のAML患者数は約2100人と推計され、再発・難治性AMLの治療は多剤併用化学療法などが実施されているものの、標準治療は確立されておらず、新たな治療薬の開発が望まれている。また、再発・難治性のFLT3遺伝子変異陽性のAML患者を対象に臨床試験を実施していることなどから、開発の可能性は高いとした。

 

1件の公知申請を了承

また同部会では、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外約検討会議」で適応拡大が妥当と判断されたMSDの抗癌剤「テモゾロミド」(テモダールカプセル20mg、同100mg、同点滴静注用100mg)の事前評価を行い、再発・難治性ユーイング肉腫の適応で公知申請をして差し支えないと結論づけた。

 

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出典:薬事日報

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