薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2015.02.25 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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上司からの注意に萎縮してしまう
上司からの注意に萎縮してしまう

私の上司はとても仕事のできる人です。そのせいか、部下である私たちに要求する仕事のレベルも高く、怒られてばかり……。最近は注意されるたびに萎縮して、ミスを繰り返すようになってしまいました。萎縮せず、指摘されたことにも応えて働きたいと思うのですが、コミュニケーションのコツはありますか。

Answer
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怒られるのは期待されている証拠。自信を持って!

「怒られてばかりで委縮してしまう」。質問者さんの気持ちはよくわかります。しかし、怒るのは期待している証拠です。人の間違いを指摘し、注意するのは楽しいことではありません。にもかかわらず注意するのは、「あなたに成長してほしい」という思いがあるからです。まさに「怒られるうちが花」。期待されているんだと自信を持ってください。そして、怒られたときは萎縮するのではなく、「怒られたことを受けとめている」ということを示せるようになりましょう。まずは一言、「申し訳ありません」と伝えられるといいですね。
私自身、現場にいた頃はたくさん注意してきましたが、一番困るのが注意したときにほとんど反応がなく、注意した内容が伝わったのかどうかわからないこと。人間は誰でもミスをします。特に若いうちは失敗して当然。だから注意されることを気にするのではなく、注意されたことをしっかり受けとめ、成長につなげることが大切なのです。

「ありがとうございます」で必ず変わる

休憩時間などに話す機会があるなら、「怒られると、頭が真っ白になってしまって」と、ありのままの気持ちを伝えてみてもいいかもしれません。実は、指導する側というのは「どうやって注意するのがベストなのか?」と常に考えているもの。この上司の人も、質問者さんの指導で悩んでいるかもしれません。そんなとき、素直な気持ちを伝えれば「わかってもらえたみたいだけど、言い方が少しきつ過ぎたかな」と、反省することができます。
もう一つ、こういったケースで関係を改善するとっておきの言葉をご紹介しましょう。それは、「ありがとうございます」です。注意された、怒られたと受け取るのではなく、「指導してもらった」ととらえ、それを言葉にするのです。怒られてばかりで委縮している質問者さんにとっては少しハードルが高いかもしれませんが、必ず状況が変わってくるはずです。どうか勇気を振り絞って、「ご指導ありがとうございます!」と言ってみてください。
怒り過ぎてしまったと感じるときなどは誰しも「言い過ぎてしまったかな」と後悔します。そんなとき、当人から「ありがとうございます」と言われるととても気持ちが楽になるのです。ぜひ、上司にとって「怒りがいのある可愛い後輩」となり、大きく成長してください。

「指導してもらえた」という気持ちで注意を受けとめ、「ありがとうございます」と言葉にしてみましょう。
「指導してもらえた」という気持ちで注意を受けとめ、「ありがとうございます」と言葉にしてみましょう。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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