薬剤師の接遇マナー・テクニック 公開日:2014.08.20更新日:2023.03.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

新しい職場で勉強会などの業務提案をしたい
新しい職場で勉強会などの業務提案をしたい

最近勤めはじめた薬局は、門前の病院とほとんどやりとりがありません。
前職の薬局では病院と合同の勉強会などがあり、関係も非常に良好で、できればこの薬局でも病院の方たちと親交を深めたいと思っています。でも、入社したばかりでそういうことを提案すると、「生意気だ」と思われそうで心配です……。

Answer
Answer

「前の職場では~」というキーワードはバツ

「勉強会をしたい」という気持ちはとても素晴らしいですね。しかし、それぞれの職場には職場ごとのやり方があるもの。もしかすると、以前に何かトラブルがあって勉強会をしなくなってしまった。あるいは家庭を持っているスタッフが多く、みんなが集まるような形で勉強会を開くのが難しい状況なのかもしれません。しかも、ほとんどの人はそれまで馴染んでいたやり方が変わることを嫌います。ましてや後から入ってきた人がいきなり大きく変えようとすると、どうしても反感を買ってしまうでしょう。
質問者さんが何よりもまずやるべきことは、今の職場にしっかり馴染むこと。まわりの信頼が得られて「○○さんが言うならやってみようか」と言ってもらえるくらい、仲間として認めてもらう。そうなって初めて提案ができますし、聞き入れてもらえようになると思います。
人間関係を深め、いざ提案をする際は「前の会社ではこうしていた」という言い方はNG。「そんなに前の職場が良かったのなら辞めなければいいのに」と、余計な反感を持たれかねません。「こういうことがしたいと思うのですが、どうでしょうか?」など、『先輩方にうかがいを立ててみる』というスタンスや言い方をした方が、要求が通りやすくなると思います。

自分に合った薬局を探すことが理想への近道

家庭の都合などで会社を移る方も多いかと思いますが、会社選びの際は給与や福利厚生面だけでなく、社風や近隣の病院情報、処方せん枚数、今回の質問にあるような勉強会の有無や取り組み方などもしっかりチェックしておきましょう。すべて希望通りというわけにはいかないかもしれませんが、今回の質問者さんのように、「前の薬局ではやっていたのに」と不満に感じるというミスマッチは、できるだけ防ぎたいものです。もちろん、自らが手を挙げてより良い職場環境をつくっていきたいという積極性は素晴らしいと思います。しかし、実際問題としてそれまでの流れを変えることは大きなエネルギーが必要ですし、時には余計な衝突やトラブルを引き起こしかねません。次々に導入される新薬や調剤報酬改定への対応など、現場で働く薬剤師には覚えること、やらなければいけないことがたくさんあります。時間とエネルギーを有効活用するためにも、できれば事前に情報収集を行い、自らの理想やライフスタイル、目指す将来像に合った職場選びをしていただきたいと思います。
まずは新しい職場に馴染み信頼を得ること。改善点の提案はその次の段階に
まずは新しい職場に馴染み信頼を得ること。改善点の提案はその次の段階に

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします

今さら人に聞けない接遇・マナー、クレームへの対処方法など、薬剤師さんからの質問を募集しています。カルテ情報(お名前、薬剤師歴、年齢、性別、勤務先種別)を記入の上、こちらからご応募ください。皆さんの質問に、村尾孝子先生がわかりやすくお答えします。

<完全無料>転職やキャリアのご相談はマイナビ薬剤師へ